さらにヤクルト時代の95、97、01年にも日本一を達成しているが、残念ながら、社会人(プリンスホテル)では、日本一になれなかった。

 逆にPLの先輩にあたる木戸克彦は、社会人でプレーしていないものの、高校時代と法大時代に全国制覇をはたし、阪神でも85年に日本一達成と、行くところすべてで頂点を極めている。

 一方、横浜高時代に松坂大輔(現西武)の女房役として98年春夏の甲子園で連覇を達成した小山良男は、亜大時代も木佐貫洋(元巨人オリックス日本ハム)とバッテリーを組み、02年に全日本大学野球選手権と明治神宮大会で優勝。高校、大学ともに連覇の偉業を成し遂げた。

 そして、中日時代の07年にも、日本シリーズは不出場ながら日本一に輝いたが、唯一社会人(JR東日本)で日本一になれなかった。

 また、昨季限りでロッテを退団した大谷智久は、報徳学園時代の02年にセンバツV投手になり、トヨタ自動車時代の07、08年に社会人野球日本選手権2連覇。ロッテでも入団1年目の10年に日本一になったが、早大時代は4年時に明治神宮大会準優勝と、あと一歩のところで完全制覇の夢を断たれている。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2020」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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