日本人だから標的に…“本場”で戦ったからこそ知り得る「アイスホッケー乱闘の真実」

2021/02/10 17:00

「北米とは考え方が全く違う。これは乱闘だけでなくプレー全般に言える。国内では熱くなって本気でファイトできない。強くヒットすることもできないので難しい。すぐに反則を取られたり出場停止になることもある。でも本来は、ガツガツ行くことで戦う姿勢も見せられる。もちろん反則になれば、チームに迷惑がかかるからバランスも考えてだけど」(平野)

 格闘技を除き、乱闘は好意的に受け入れられない。「教育上良くない」という理由で片付けられることも多い。IHも同様であり、『乱闘=ラフプレー、汚い、悪い』というイメージが先行している。また乱闘同様、激しいプレーに対しての先入観もあり、北米から国内への適応も難しい。

「国内に戻って最初の頃は、『緩い』と感じた。相手へのヒットなど1プレー、パックに対する執着心が違う。人生かかっている、と本気で感じさせることはない。僕はNHLを目指す中、三軍のトライアウトでケガをして帰国した。練習からガツガツやって来る。ああいう激しさの中でも生き延びないといけない。乱闘もその中の1つで、こっちから引いてはダメ」(平野)

「北米時代はゴーリー同士で乱闘したこともあった。闘争心がなくなったら、選手としてはやっていけない。最近はうまく流して自分のプレーに集中できるが、しつこいと行くこともある。我慢だけでは、相手にされるがまま。特にゴーリーは受け身で相手から突っ込まれたらどうしようもない。中には笛が鳴ってプレーが止まっても来る奴がいるから」(福藤)

 野球、バスケットなどの競技同様、北米トップリーグでプレーするには技術とともに強さが必要。激しさに負けない身体の丈夫さ、そして何があっても向かって行く闘争心。並大抵ではないタフさ、折れない心が必要となる。

「プレースピードが圧倒的に速くコンタクトも激しい。判断力もズバ抜けて早い。国内でパックを持てたとしても、その感覚は北米では潰される。グリッツのヘッドコーチ、マイク・ケネディ(カナダ)からも『北米はワンテンポ、速いから、これに慣れているとケガする』と言われる。スピーディかつハードにやってラフにも対応しないといけない」(平野)

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