巨人から自由契約となった宮国椋丞 (c)朝日新聞社
巨人から自由契約となった宮国椋丞 (c)朝日新聞社

 2月1日に各チームがキャンプインし、今年も新たなシーズン到来を感じる季節がやってきた。直前に田中将大楽天復帰という大きなニュースが飛び込んできたが、各球団の戦力補強はひと段落したと見てよさそうだ。しかしここ数日だけでも既に多くの故障者が報道されており、場合によっては緊急補強が必要となるケースも出てくる。そうなった時に候補となる選手は誰がいるのか。昨年オフに戦力外となって退団した選手からピックアップしてみたいと思う。

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 投手でまず可能性がありそうなのが宮国椋丞(前巨人)だ。プロ入り2年目から先発として2年連続で6勝をマークし、将来のエース候補として期待されていただけに、その潜在能力の高さは誰もが認めるところである。昨年もシーズン開幕から8月の初めぐらいまでは、まずまずのピッチングを見せていた。元々コントロールの良さには定評があり、巧みな投球術はまだまだ健在。トライアウトでは痛めた右ひじの状態が回復途上だったということもありストレートの最速は140キロにとどまっているが、先日公開した自主トレの映像でも順調な調整ぶりをアピールしている。投手陣が手薄な球団はキャンプ中にテストしてみても面白いのではないだろうか。

 野手で戦力となりそうなのが小窪哲也(前広島)だ。昨年はプロ入り最少となる一軍出場わずか3試合に終わったが、実力の問題というよりも首脳陣が交代したことによるチーム方針によるところが大きかったように見える。内野であればどこでも守ることができるユーティリティさとしぶとい打撃が魅力で、ここ一番の集中力も光る。左投手に滅法強いという特徴があるのも心強い。またPL学園で甲子園出場、青山学院大でも大学選手権優勝、そして広島でもリーグ3連覇と勝利の味を知っているという経験も貴重だ。内野のバックアップ要員としてまだまだ貴重な存在になれる可能性は十分あるだろう。

 昨年は歳内宏明(ヤクルト)がシーズン途中に四国アイランドリーグplusの香川からNPB復帰を果たしているが、一度独立リーグを経て復帰する選手が出てくる可能性もわずかではあるが考えられる。そういうルートで候補となりそうなのがルートインBCリーグの埼玉武蔵入りが決まった由規(前楽天)と、古巣である四国アイランドリーグの徳島に復帰する福永春吾(前阪神)の投手2人だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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