このClubhouse、「招待性」ってところがより参加したい意識を刺激してるなと思います。「招待されないと参加できない」というそのVIP感。「私、○○さんから招待されてClubhouse入ったんだよね」と言いたいんだろうなと。

 僕がその存在を知ったのは、先週の水曜日。知人からわざわざ電話が来て、Clubhouseのことを教えてくれた。そして「招待しましょうか?」と言われたので、ぜひお願いしたいと。だけど、電話の向こうでなんだかいろいろ調べてる知人が言いました。

「あれ!すいません、Androidだと今できないみたいです」

 なんでしょうか、そう言われた時に、時代にフラれた感。僕は電話で「あ、そっか、仕方ないよ」とあえて元気に言ってみたりして。向こうも「申し訳ない感」あるし。僕も恥ずかしい感がある。

 その日から3日間で、まあ、いろんな人からLINEが来る。「Clubhouse、もうやってます?」と。そのたびに返します。「ごめん、俺、Androidなんだ」と。すると返信で帰ってくる「あ……」とか「ごめんなさい」とか。LINEのやり取りでこんな気まずくなる瞬間ってなかなかないですよ。むしろ貴重。

 このスピードで流行ったものって、ある瞬間で落ち着きは見せるとは思うんですが、その最大風速の時に乗れなかった僕は、仮にAndroidで参加できるようになってもやらないだろう。

 そして思う「iPhoneじゃない理由なに?」と。僕は今ならこう答える「あえて時代に乗れないところがいいんだよね」と。強がり~~~。

 うん。それでいい。

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中。バブル期入社の50代の部長の悲哀を描く16コマ漫画「ティラノ部長」の原作を担当し、毎週金曜に自身のインスタグラムで公開中

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鈴木おさむ

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鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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