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なぜ「甲子園優勝投手」はプロで活躍できるようになったのか

西尾典文dot.
駒大苫小牧で甲子園優勝投手となった田中将大はプロでも大成 (c)朝日新聞社

駒大苫小牧で甲子園優勝投手となった田中将大はプロでも大成 (c)朝日新聞社

 1月29日、選抜高校野球大会の出場32校が発表された。今年は例年以上に好投手が多い大会と言われており、小園健太(市立和歌山)、畔柳亨丞(中京大中京)、松浦慶斗、関戸康介(ともに大阪桐蔭)、達孝太(天理)、木村大成(北海)などがプロからの高い注目を浴びることになりそうだ。

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 しかし高校野球界には昔から「甲子園優勝投手は(プロでは)大成しない」というジンクスがあると言われている。過去に大投手の勲章と言われる通算200勝を達成したのは野口二郎(37年夏、38年春優勝・中京商→東京セネタースなど)と平松政次(65年春優勝・岡山東商→日本石油→大洋)だけ。先日、日本球界復帰を発表した田中将大(楽天)が現在日米通算177勝であり、それに続く存在となっている。

 この結果を見て確かに大成しないと思われるかもしれないが、過去20年の甲子園優勝投手を見てみると、プロで結果を残している選手は決して少なくない。前述した田中将大以外でも改めて名前を挙げてみると近藤一樹(01年夏・日大三→近鉄など)、大谷智久(02年春・報徳学園→早稲田大→トヨタ自動車→ロッテ)、西村健太朗(03年春・広陵→巨人)、福井優也(04年春、済美→早稲田大→広島など)、田中健二朗(07年春・常葉菊川→横浜)、東浜巨(08年春・沖縄尚学→亜細亜大→ソフトバンク)、今村猛(09年春・清峰→広島)、藤浪晋太郎(12年春・夏・大阪桐蔭→阪神)、高橋光成(13年夏・前橋育英→西武)などは十分に一軍で戦力となっている。

 また、高橋奎二(14年春・龍谷大平安→ヤクルト)、小笠原慎之介(15年夏・東海大相模→中日)、今井達也(16年夏・作新学院→西武)、清水達也(17年夏・花咲徳栄→中日)も今後主力への成長が期待できる。斎藤佑樹(06年夏・早稲田実→早稲田大→日本ハム)や島袋洋奨(10年春・夏・興南→中央大→ソフトバンク)の苦戦が大きくクローズアップされているが、これを見るとむしろプロでも活躍している方が多いと言えるだろう。

 一方で、00年よりさらに10年間、91年まで遡ってみると松坂大輔(98年春・夏・横浜高→西武など)以外では三沢興一(92年春・帝京→早稲田大→巨人など)と正田樹(99年夏・桐生第一→日本ハムなど)がわずかに目立つくらいで、そもそもプロ入りした人数も少ない。これを考えると松坂の出現以降、00年代に入ってからジンクスが変化してきたと見るべきではないだろうか。


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