左から米倉涼子、山本舞香(C)朝日新聞社
左から米倉涼子、山本舞香(C)朝日新聞社

 最近、物議をかもしたのが楽天モバイルのCMだ。始まりと終わりに出て来る「♪ラックテンモバ~イル!」という女性のシャウトが耳障りだと批判が飛び出し、代役にしてシャウトを控えめにするという対応がとられた。考えてみれば、大声で叫ぶこと自体、コロナ禍にはそぐわない気もするし、広告効果についても疑わしい。

【写真】芸能界から「消えた」サバサバ系女子といえばこの人

 そのCMに出演しているのが、米倉涼子。シャウトしているのは別人だが、米倉本人もミソをつけた感がある。なにしろ、長年所属した大手事務所からこの春、独立したばかりだ。このCMの不評は、代表作での決めぜりふ「私、失敗しないので」とは裏腹に、独立が失敗する兆しなのではとも勘ぐってしまう。

 いや、それだけではない。このところ、米倉に代表される「サバサバ系」の女性タレントたちが軒並み失速気味なのである。

 たとえば、山本舞香。まだ23歳で、サバサバ女子界期待の若手だ。10月27日「ノンストップ!」(フジテレビ系)に出演した際には「サバサバ性格女子が最高です」という視聴者のツイートも紹介されていた。

 が、その2日後、交際を報じられている伊藤健太郎がひき逃げで逮捕されてしまう。伊藤がやんちゃ化したのは山本の影響だとする記事まで出て、とばっちりを食ってしまった。

 また、失速どころか、消えてしまったのが木下優樹菜だ。昨年11月のタピオカ恫喝騒動でケチがつき、活動休止中の12月に離婚。今年7月にはいったん活動を再開したものの、離婚前からの不倫が報じられるなどして、わずか5日後に引退となった。

 もともと、サバサバ系は押しの強さも売りなので、反発を買ったり、スキャンダルに巻き込まれたり、トラブルを起こしたりということもありがちだ。それでも好きというファンに支えられているわけだが、最近はちょっと飽きられてきた印象もある。そのあたりを検証すべく、サバサバ系の歴史を振り返ってみよう。

 転機となったのは、1945年の終戦。そこから「戦後、強くなったのは女性と靴下(ストッキング)」という流行語が生まれ、高度経済成長期にはウーマンリブ運動も起きた。やがて、バブルが到来し、男女雇用均等法なども施行されたことで「女らしさ」のトレンドが変化する。

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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