ケーシー・マギー、ケビン・ユーキリス、アンドリュー・ジョーンズ。過去にはMLBのオールスター級の大物獲得を行ったが、これには明確な意図があった。

 ロッテ時代に日本一経験のある今江、サブローとは相手として戦ってきた。今江はアマチュア時代からキャプテンを任されて来た人格者。サブローは短期間ながら巨人在籍経験もある。彼らに強烈なリーダーシップを感じたとしても不思議ではない。

補強は人間性を重視する。外国人は米国でも一目置かれる人格者でボスキャラばかり。ユーキリスはシーズン途中帰国とハズレだったが、マギーはその後の巨人でもリーダー格になった。日本人選手も同様で、例えば岸や涌井は本当によく練習する。浅村もチームへの献身性が素晴らしい。鈴木もロッテのキャプテンだった。若い選手たちに強いチームのノウハウを伝えられるはず」(楽天担当記者)

 石井GMの存在は大きい。現役時代から掴み所がない男で、「GMなどできるのか」という声もあった。

 しかし情報収集力などに長けており、持ち前のコミュニケーション能力を発揮しチームを作り上げている。

「各選手の細かいデータなどまで把握している。数字を根拠に周囲を説得するのがうまい。他球団に対しても、埋もれている選手を活用する具体案を提示できる。人懐っこい性格なので、球界関係者からの評判も良い。選手を引き抜く形になった西武フロントとの関係も良好と聞く。もちろん古巣ヤクルトとも円満な間柄。生前に野村克也、沙知代夫妻が可愛がったのもわかります。GMという役職でも、チーム内ではイジられキャラで雰囲気も良くしてくれる」(楽天関係者)

「球場にも頻繁に顔を出し、自軍のみならず相手球団とも挨拶を交わす。他球団の編成担当とも密に連絡を取っているという話も聞く。まさに米国的GMの振る舞い。常にリアルな情報を得ているので的確な補強に動ける。また移籍もビジネスと割り切れるので、これまでのようにNPB内のしがらみも関係ない。MLBで自らプレー、内情も熟知しているおり、旧態依然の日本球界の体質に一石を投じているとも言える」(MLB事情に詳しいスポーツライター)

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田中将大の獲得にも動くのか…