楽天の石井一久GM (c)朝日新聞社
楽天の石井一久GM (c)朝日新聞社

 石井一久GMのもと積極的な選手補強を繰り返している楽天

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 だが、話題満載で臨んだ今年も4位が確定し、優勝は逃してしまった。しかし球界へ投じた波紋は大きく、NPB新時代への旗振り役になっている。

「3位になれたのか、3位にしかなれなかったのか、みんなもう1度考えてほしい。僕の中では3段階に分けたらBクラス」(石井GM)

 昨年、平石洋介前監督が指揮したチームは3位でCS進出を果たしながらもオフに監督交代。前監督の「あのGMには会ってないですね」と言う発言も衝撃的で、後任には2軍監督だった三木肇が就任した。

 優勝だけを目指した今季だったが、3年連続日本一の王者ソフトバンクの牙城は崩せなかった。それだけでなくロッテ西武の後塵を拝し、昨年を下回る4位となった。

「平石前監督がチームを作り直している最中の交代劇。周囲は当然、今年の勝利を求めていた。しかし終わってみれば、昨年より悪い結果。石井は何をやってんだ、と責任を問う声がファンの間では大きくなっている。しかし石井GM について球界での評価は高い」(楽天担当記者)

 楽天は数年前からの積極補強で、顔ぶれが大きく変わった。特に西武からの移籍選手が目立つため、『楽天ライオンズ』と揶揄する者もいるほど。

 FAで16年オフに岸孝之、18年オフに浅村栄斗と球界を代表するビッグネームを西武から獲得。昨オフも鈴木大地(ロッテ)が続いた。

 他にも09年沢村賞の涌井秀章(ロッテ)、来日4年目となる大砲のステフェン・ロメロ(オリックス)、メジャー帰りの牧田和久(パドレス)など実績十分の大物が、今季次々と加入した。

「伝統がない若い球団なので、負け癖がつくのが良くない。以前からMLBのスター選手を積極補強したのは、収益などマーケティングのみでなく勝者のメンタリティが必要だったから。結果はまだ出ていないが、強豪球団の主力選手加入は間違いなくプラスになる。石井GMがいた西武から選手獲得するのは、実力、性格等をわかっているから当然。今江敏晃を育成コーチ、サブローをファームディレクターで雇用しているのも評価したい」(楽天OB)

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楽天の補強は“人間性”を重視?