この時のインタビューでは、相手に自分の言葉を伝えることの大切さについても語っている。今までの自分については、「言動がどう相手に伝わるのかということに敏感でなかった」と振り返っていた。

「今までは、自分のフィールドで一所懸命頑張っていれば何も怖いものはないという感覚がどこかにあったと思うんです。周りにいい先輩がいてかわいがってくれて、ちょっと失礼に当たることをしても意に介さないでいてくれる。だけど、親しき仲にも礼儀あり、なんですよね」(同)
 
 自分を卑下するのではなく、相手に媚びるのでもなく、自分にうそをつかない。三浦さんには、自分にないものを持ち合わせている相手をリスペクトする気持ちが常にあったのではないだろうか。

 意外なところでは、シンガーソングライターの高橋優さんとも交友があった。三浦さんが出演したドラマ「オトナ高校」の主題歌「ルポルタージュ」を歌っていたのが高橋さんで、三浦さんはミュージックビデオに出演し、楽曲のコーラスにも参加した。これを機に2人で食事をするようになったという。

「とりわけ僕は、芝居のなかでも特にミュージカルをたくさんやっていきたいと思っていて。なので、声楽のことや喉のメンテナンス、普段のトレーニングの仕方を教えてもらったりしています。逆に優くんのほうも、最近は芝居の仕事もやり始めているからこそ、(中略)自然な芝居とは一体何なのか、春馬くんの考えを聞かせてほしいって。そういう意味では、今自分が知りたいものを持ち合わせている相手として、お互いがお互いを必要としているんだと思います」(別冊カドカワ 2018年10月号/28歳)

 もちろん、馬が合ったというのも大きい。高橋さんについて語った言葉には、三浦さんの人柄がよく表れている。

「僕にとっての優くんを一言で表すなら、“好きな人”。優しい人なんですよ。人のことを放っておけないタイプというか。(中略)人に対する思いやりを常に持ち合わせている人だからこそ書ける歌詞が、どの曲にもあるように思いますし」(同)

 俳優の柳楽優弥さんも三浦さんの人生において大きな存在だった。この夏に放送されたドラマ「太陽の子」で共演した2人だが、子役のときには現場で一緒になることもあり、同じ高校に通っていたものの、当時はほとんど話をしなかったという。そんな関係性が変化したのが、映画「銀魂2」での共演。さまざまな経験を経て、役者として作品を通して共鳴しあえる仲になっていた。

「今回一緒に仕事をしてみて、実は僕たち、心根の部分で近しい気質を持っていたことがわかったんです」(Cut 2018年8月号/28歳)

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茨城時代にお世話になった人の忘れられない言葉とは