佐藤さんと三浦さんの2人の対談では、男友達何人かでバーベキューをしたり、飲みにいったりしていたと明かしている。そうやって過ごす時間は純粋に楽しかったのだろう。

 「尊敬する先輩」として名前を上げることが多かったのが小栗旬さんだ。三浦さんが10代のころから知り合いだった。

ドラマ『貧乏男子 ボンビーメン』で共演してから、学ぶことばかりです。舞台やドラマ、映画で見せる並みはずれた集中力と、迫力ある演技。観客すべての瞳を独占するカッコよさはスゴイ」(AERA 2010年1月25日号/19歳)

「旬さんのお芝居には圧倒されました。セリフの間の取り方や監督の要望にすぐ応えられる適応力」(ザ・テレビジョン 2013年8月2日号/23歳)

 俳優としての仕事ぶりはもちろん、人間性についても惹かれていたという。

「旬さんは、どんな場面でもうそをつかない人。だから、人としても表現者としても魅力的なんだろうな」(non・no 2013年10月号/23歳)

 佐藤健さんに小栗旬さん、名前を挙げれば、芸能界のキラキラした交友関係を想像するかもしれないが、三浦さん自身が求めていたのはそうした「派手さ」ではなかったようだ。常に仕事では、同年代の俳優の活躍を意識していたことからもわかる。

 例えば、俳優の池松壮亮さん。同い年の2人は21歳のとき、警察学校を舞台にしたドラマ「陽はまた昇る」で共演した。そのときの対談では、三浦さんは池松さんを俳優として一目置いていた様子がうかがえる。

「一緒に現場に入れて、今はホントに芝居が楽しくてしょうがない。だって僕、壮亮は同世代の俳優の中で一番芝居がうまいと思うもん」(JUNON 2011年10月号/21歳)

「最初に現場で会ったときから、すごい存在感があったからね。まとっている空気がもうすごくて、見てて写真を撮りたくなった」(同)

 実は、2人とも子役出身。演技の世界に入るきっかけは児童劇団という点も同じ。ただ、池松さんは2003年にハリウッド映画「ラストサムライ」に出演して注目を浴びたが、決して「イケメン枠」ではなく、さわやかな役どころが多かった三浦さんとはある意味、俳優として真逆のタイプだ。このドラマ撮影時は、池松さんは大学生で映画を学んでいた(日本大学藝術学部映画学科監督コース卒)。同じようなキャリアを積んできたが、演技に対して自分とは異なるアプローチをしているのが気になって仕方がなかったようだ。

「大学に一緒に連れてってほしい。僕すごい変装していくから(笑)」(同)

「壮亮がどういう環境で映画のこと勉強しているのか見てみたいから、一緒に教室で授業聞く。で、出席とるとき代わりに返事してあげる(笑)」(同)

次のページ
「自分にうそをつくな」胸に刻んだある俳優の言葉