リリー・フランキーさん(c)朝日新聞社
リリー・フランキーさん(c)朝日新聞社
放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん

 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、スマートな男のふるまいについて。

【写真】香取慎吾とリリー・フランキー、匂い立つ個性をとらえた1枚

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 会社の社長さんにぜひ試してほしいことがある。

 誰かと食事している時に、その相手の口元に料理がついて、しばらく取れない瞬間……経験あるだろう。米がついたり、料理のカスがついたりして、なかなか取れない。

 友達だったら「口についてるよ」と簡単に言えるのだが、相手が上司とか社長さんだったりするとなかなか言えないものだ。

 僕は年に何度も「会食」をするのだが、相手の口元に料理のカスがついてしまうことがとても多い。うそだろ!ってくらい多い。神様は俺を試してるのかなってくらい多い。で、僕が相手にそれを言ってあげられるかどうかで言うと、NOである。

 ただただ、料理のカスがついてるのを見て「早く取れてくれ」と願うばかり。偶然にも相手がおしぼりで口を拭いたりして取れた時には安堵するのである。

 これ、一対一だったらまだいいんだけど、数人で食事会している時。僕は「誰か言ってあげてくれよ」と強く願う。だけど誰も言わないことが多い。ということは他の人も僕に同じことを思っているのだろう。

 ああいう時に「口元に、ちょっとついてますよ」と言ってあげられる大人になりたいし、それが本当のスマートな男だと思っている。

 だからこそ思う。会社で社長さんはわざとあれをやってみるべきだと。部下で「社長、口元についてますよ」と言ってくれる人がいるかどうかチェックしてみるべきである。

 その部下こそが、スマートで、本当に優しい部下である。このシチュエーションで言えると言う事は、もっと大きなミスを起こしそうな時に言ってくれる可能性も高いのだ。

 ぜひ、全国の社長さん、試してほしい。

 スマートな男……と書いたが、僕の中でのスマートな男の1位はリリー・フランキーさんである。僕が結婚10年目の時に背中に妻の名前のタトゥーを入れまして、それをブログにアップしてしまったら、想像していた以上に、否定の意見が多かった。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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