安定したトーク力を持つファーストサマーウイカ(C)朝日新聞社
安定したトーク力を持つファーストサマーウイカ(C)朝日新聞社

 昨年、バラエティ界に彗星のごとく現れ、めきめきと頭角を現し始めたファーストサマーウイカ(30)。2019年下半期の「急上昇テレビ番組出演ランキング(フレッシュ平成世代)」では堂々の1位を獲得し、勢いそのままに今年も八面六臂の大活躍を続けている。コテコテの関西弁で繰り出される安定したトーク力には定評があり、3月末より『オールナイトニッポン0(ZERO)』の月曜日パーソナリティーも務めるように。

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 いったいファーストサマーウイカの何がそんなにウケているのか。バラエティ番組を手掛ける放送作家は次のように分析する。

「女優のキャリアもあり、元アイドルなのに、そのメンタリティーは芸人よりも芸人というか、とにかく器用で野心家、そして地頭もちゃんといい。20代後半まで売れなかったという下積み生活が、今の彼女を支えてるのだと思います。彼女がメジャーへの足掛かりをつかんだのは昨年1月に放送された『女が女に怒る夜』という特番でした。同番組のオーディションに合格し、初のゴールデン特番の1席をつかんだわけですが、その貴重な1打席でしっかり爪痕を残した。あれからたった1年半でこの大躍進ですから、本当に凄い。最初はコテコテすぎる関西弁がノイズになっていた面もありますが、露出の増加とともに自ら微調整して少しマイルドな関西弁に戻している。飛び道具要員と見せかけてしっかりトークができるので、どの番組の構成会議でも名前が出て当然ですよ」

 7月7日に放送された「あちこちオードリー」(テレビ東京)では、「売れている人は3つのワードで例えることができる」という“3つのアイコン理論“を展開。例えばオードリーの春日なら「ピンクのベスト・1:9分け・トゥース!」というように、3つの特徴を世間に認知させることが重要だと説き、理論家の一面を覗かせた。

「売れるためにこの3つのアイコン理論に基づいて『かきあげ前髪・関西弁・ヤンキーキャラ』と自らを分析していました。それで見事にブレイクしたわけですから、売れない芸人やタレントは彼女を見習うべきですよ。また、同番組では『エゴサーチを1日50回ほどする』とも明かしてましたが、ここまでくると研究熱心なのか自意識過剰なのか紙一重なところもあります。ただ、『髪型変えたらファーストサマーウイカみたいって言われるのが微妙だからやめようかな』とツイートした人に『どういったところが微妙なんですか?』と直接リプライするあたりが彼女の魅力というか。この、人の心にも土足で上がり込む“大阪のおばちゃん気質”こそ彼女の強みだと思います」(前出の放送作家)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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