(2)プラークの付着を確認
 口の中の細菌の状態を検査します。患者さんにわかるようにプラークがあるところを染め出す「プラーク染色液」を使ったり、歯周プローブ(目盛りがついた先端が丸い針)などの先端で歯面をこすり、口の中全体のうち、どのくらいの割合でプラークの付着があるかを確認します。

 プラークが多いということは、歯肉の奥にも多くのプラークが潜んでおり、歯周病が進んでいる可能性が高くなります。

 このほか科学的に歯周病菌を調べる方法として、自費診療になりますが歯周ポケット内のプラークや唾液を特殊な方法で採取し、歯周病菌のタイプや数を特定する検査(歯周病原細菌検査)もあります。

 短期間で急速に進むタイプの歯周病が疑われる場合、この検査が役に立ちます。

(3)歯周ポケットの検査(プロービング)
 歯周ポケットの深さと歯周組織の炎症の程度をチェックする検査です。歯周ポケット(歯と歯肉のすき間)にプローブを挿入し、歯肉の縁からプローブ先端までの距離を測ります。通常、1本の歯につき、4か所または6か所を測定し、1ミリ単位で記録します。3ミリ以下はほぼ正常(歯肉炎はこの範囲にとどまる。なお、健康な歯肉溝の深さは1~2ミリ)です。

 それ以上のポケットは深くなればなるほど、歯周病が進んでいる可能性を示しています。歯周ポケットが深いということは歯周病菌が歯肉の内側に入り、組織を破壊している証拠だからです。

 また、プロービング時に出血があるかどうかも大事なチェックポイントです。出血はポケット底部に炎症がある証拠で、すでに歯周炎へと進行中である可能性が高いためです。このため、歯周基本治療の後、再度、この検査をおこない、出血がなくなれば症状が安定していると判断します。

(4)歯の動揺度の検査
 ピンセットなどで歯をはさんで、歯がどのくらい動くのか、どの方向に動くのかを確かめます。炎症が急速に進んでいたり、歯の土台となる歯槽骨が破壊され減っていたりすると歯を支えるものがなくなり、ゆれが大きくなります。

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