天才的な打撃を再び…「最後の望み」から復活期す川端慎吾の“意外な願い”【燕軍戦記】 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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天才的な打撃を再び…「最後の望み」から復活期す川端慎吾の“意外な願い”【燕軍戦記】

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菊田康彦dot.
かつては首位打者にもなったヤクルトの川端慎吾 (c)朝日新聞社

かつては首位打者にもなったヤクルトの川端慎吾 (c)朝日新聞社

 ♪不可能なんてないよ、可能だらけさ──

 本当に久しぶりにヤクルトの本拠地・神宮球場に流れるFUNKY MONKEY BABYSの『悲しみなんて笑い飛ばせ』。かつて「もう絶対に変えられないですね」と語ったほど愛着のある自身の登場曲に乗って、代打の川端慎吾(32歳)が打席に向かう。その背番号5を少しでも後押ししようとヤクルトファンが送る手拍子が、観衆5000人弱とは思えないような大きな音となって鳴り響いた。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 首位の巨人と3.5ゲーム差で迎えた7月25日の直接対決。5000人を上限に、神宮では今シーズン初めての「有観客試合」となった前日は5点差を追いつかれ、延長10回の末に引き分け。この日も終盤にセットアッパーの清水昇とクローザーの石山泰稚がそろって失点し、土壇場で試合を振り出しに戻されていた。

「もしかしたら(出番が)あるんじゃないかなって、同点になった時点から準備してました」

 その読みどおり、川端は9回裏1死満塁となったところで代打起用を告げられる。天才的なバットコントロールで2015年にセ・リーグ首位打者に輝き、端正なマスクでも人気を集めた「燕のプリンス」も、神宮のバッターボックスに立つのはこれが今年初めてである。

 322日ぶりに川端の打席で流れる“ファンモン”の曲は、本来ならばサビの部分でファンが大声で「シンゴ!」と合いの手を入れるのがお約束。現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため大声での応援は禁止されているが、その分もファン1人ひとりが懸命に手をたたく音が、ひときわ大きくスタジアム中に響き渡った。

 その大きな手拍子と、おなじみのスタジアムDJ、パトリック・ユウ氏の「ゴォォォォォ、シンゴォォォォォォォ!!」のコールが「むちゃくちゃ緊張して、正直足が震えてました」という川端の背中を押す。代打の鉄則どおり初球から思い切って打ちにいくが、逆球となったインハイのストレートに空振り。続く2球目、外角低めに構えた捕手のミットよりも高めに浮いたストレートを上からたたくと、打球は狙いすましたように三遊間を抜けていった。


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