ファーストで選出した小斉は第1回育成ドラフトで指名された選手。1年目の5月に早くも支配下登録され、翌年には育成出身の選手として一軍初安打もマークしている。一軍通算66安打に終わったが、2010年にはウエスタンで二冠王に輝くなどパワフルな打撃が持ち味だった。

 ファースト以外の内野三人はいずれもセカンドが本職の選手だが、人選の都合で振り分けて上記の結果となった。牧原は千賀、甲斐と同じ2010年の育成ドラフトで入団し、2年目の6月に支配下登録されている。一軍定着までに時間がかかったが、昨年は自己最多となる114試合に出場。本職ではない外野も守るなどユーティリティぶりを見せた。

 亀沢はソフトバンクでの3年間は育成選手として過ごしたが、支配下選手として中日に移籍した2015年にいきなり89安打を放ちブレイク。昨年オフに戦力外となり今年からは新設された琉球ブルーオーシャンズでプレーすることとなったが、内野ならどこでも守れる器用さとスピード溢れるプレーでチームを支えた。

 内村は山梨学院大付(現山梨学院)時代には明石健志(ソフトバンク)とともに活躍し、社会人野球を経てBCリーグの1期生としてプレー。163センチメートルと小柄ながら、楽天でもスピードを生かして1年目の7月に支配下登録されると、4年目の2011年には31盗塁をマークする活躍を見せた。トレードでDeNAに移籍した後は成績を落として2016年限りで退団となったが、2015年には通算100盗塁も達成している。

 外野の出世頭は岡田になるだろう。故障もあって日本大をすぐに中退した後はクラブチームの強豪、全足利クラブでプレー。プロ入りも育成6位だったが、抜群の守備力が評価されて1年目のシーズン前には支配下登録を勝ち取っている。プロ入り3年目の2011年には144試合フル出場して失策0を記録するなど活躍しゴールデングラブ賞を受賞。154安打、41盗塁と攻撃面でも見事な成績を残した。2017年には極度の打撃不振に陥り、2018年を最後に引退したが通算573安打は現時点で育成出身の選手としては最多記録である。

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今季も育成出身に“注目選手”