“育成の巨人”を代表する選手の一人だった松本哲也 (c)朝日新聞社
“育成の巨人”を代表する選手の一人だった松本哲也 (c)朝日新聞社

 2005年からスタートした育成ドラフト。これまで多くの選手が指名されてプロ入りしており、中には千賀滉大や甲斐拓也(いずれもソフトバンク)のように球界を代表するクラスにまで成長した選手も存在している。そこで今回は育成選手としてプロ入りした歴代選手の中からベストナインを選出してみた。なお投手については対象が非常に多かったため、オールスターゲームのファン投票と同様に先発、中継ぎ、抑えの3部門で選出している。

先発:千賀滉大(ソフトバンク)
171試合 55勝29敗1セーブ20ホールド 防御率2.78

中継ぎ:山口鉄也(巨人
642試合 52勝27敗29セーブ273ホールド 防御率2.34

抑え:西野勇士(ロッテ
233試合 18勝21敗88セーブ23ホールド 防御率3.23

捕手:甲斐拓也(ソフトバンク)
388試合 214安打23本塁打99打点15盗塁 打率.237

一塁:小斉祐輔(ソフトバンク→楽天
165試合 66安打7本塁打32打点2盗塁 打率.209

二塁:牧原大成(ソフトバンク)
289試合 209安打6本塁打63打点25盗塁 打率.257

三塁:亀沢恭平(ソフトバンク→中日
421試合 249安打2本塁打40打点25盗塁 打率.265

遊撃:内村賢介(楽天→DeNA)
596試合 340安打1本塁打97打点100盗塁 打率.246

外野:岡田幸文(ロッテ)
910試合 573安打0本塁打119打点142盗塁 打率.255

外野:松本哲也(巨人)
591試合 336安打0本塁打57打点65盗塁 打率.263

外野:中村真人(楽天)
292試合 216安打6本塁打69打点15盗塁 打率.269

 先発投手は文句なしで千賀になるだろう。蒲郡高校時代は全く無名の存在だったが、2年目には早くも支配下登録されると翌年にはセットアッパーに定着。先発に転向した2016年以降は4年連続で二桁勝利をマークし、チームはおろか球界を代表する投手となっている。近い将来、育成選手出身では初となるメジャーリーガー誕生の可能性も高いだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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中継ぎ部門も育成から球界を代表する“鉄腕”に