今の代表は「青筋立てて、応援する必要なくなった」 植田朝日が語る変わりゆく“W杯の価値” (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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今の代表は「青筋立てて、応援する必要なくなった」 植田朝日が語る変わりゆく“W杯の価値”

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山岡則夫dot.
W杯出場の夢が絶たれ、うなだれる選手とそれを慰めるオフト監督 (c)朝日新聞社/現在Youtubeで当時の激闘を振り返った映画『ドーハ1993+』と『ジョホールバル1997 20年目の真実』が無料公開中

W杯出場の夢が絶たれ、うなだれる選手とそれを慰めるオフト監督 (c)朝日新聞社/現在Youtubeで当時の激闘を振り返った映画『ドーハ1993+』『ジョホールバル1997 20年目の真実』が無料公開中

「代表を応援するのが当然だった時代。なぜならW杯出場が悲願だったから。今は出場国数も増えて、本大会に出場できない方が難しい。そうなるとW杯の価値も変わる。また日本国民という括りなら代表が大事だけど、サッカーファンなら自分のクラブを大事に思うのもわかる。例えば、クラブから選ばれた選手はベンチだけど、クラブは同時期にカップ戦をやっていて負けてしまう、なんてことがある。そういう流れは世界のサッカーでは、多々見かけることだから」

 選手とクラブ、日本代表との関係性も変わりつつある。代表選出は大きな名誉であることに変わらない。しかし現実的にサッカー界ではクラブの方がビジネス(=年俸など)を含め、注目度は格段に高くなっている。

「海外のビックリーグでプレーする選手もいる。またJリーグで実績を残していなくても海外へ出て行く選手もいる。契約内容などもあって、代表との関係性もより難しくなっている。この映画の中でも都並さん(*1)は、足のケガで注射を打ちながらまでドーハへ行った。今ではそんな状態だったら代表には選ばれない。アルゼンチン代表で言うと、メッシ(*2)にケガさせてはいけないから、出場しない時もある。でもマラドーナ(*3)が『オレはケガをしてても試合に出た。それだけ代表は大事なものだ。でも今の選手は……』と熱く語っていたりする」

『あの時』は、長年の悲願達成に向けて日本中が1つになっていた。しかし、時代は大きく動いている。日本代表がW杯常連国となった今、考えさせられることは多い。

「代表は今さら青筋立てて、応援する必要もなくなっている。正直、W杯本大会には行けて当たり前だけど、その先の世界では勝てない『中間管理職』の立ち位置。だから本大会では負けて涙流すとかでなく、いかに楽しみながら1つでも多く勝って行く、とかが現実的目標になる。これも代表が昔に比べて、そこそこ強くなったから言えること。ここから先、世界一を本気で狙えるようになれば、また考えも変わるだろうけどね」


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