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歯科は「不要不急」なのか?「新しい生活様式」に求められる歯科治療とは

連載「歯科医が全部答えます! 聞くに聞けない “歯医者のギモン”」

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若林健史(わかばやし・けんじ) 歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演

若林健史(わかばやし・けんじ) 歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 緊急事態宣言が出される中、歯科治療の予約をキャンセル、延期した人は多いのではないでしょうか。しかし、必要な治療をしないまま期間が空いてしまうと歯周病などが重症化し、痛みがひどくなるだけでなく、顎(あご)の骨が少しずつ失われてしまいます。また、口の中が不衛生だと新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすい可能性があるといいます。詳しいお話を『なぜ歯科の治療は1回では終わらないのか? 聞くに聞けない歯医者のギモン40』が好評発売中の歯周病専門医、若林健史歯科医師にうかがいました。

*  *  *
 4月に緊急事態宣言が出された直後から2~3週間は当院でも予約のキャンセルや延期を希望する電話がかなりありました。「不要不急の歯科治療は自粛の対象」とされたこともあります。自由診療が中心の当院では緊急事態宣言の間、普段よりも予約が20~30%減りました。保険診療で普段、たくさんの患者さんが受診する歯科医院では50%以上減り、持続化給付金を申請しているところもあります。

 歯科は口の中に触れる治療道具が多く、患者さんと歯科医師との距離も近いので、他の業種と比較しても、特にきびしく衛生管理がおこなわれています。

 治療道具は使用のたびに消毒・滅菌をおこない、細菌やウイルスを無毒化しています。歯科医師らがつける手袋も使い捨て、または一回ずつ消毒を実施します。つまり、患者さんが新型コロナウイルスに感染していても道具を介して他の患者さんに伝播することは基本、ありません。

 その証拠に、過去に歯科でHIVやウイルス性肝炎などの感染症が患者さんから広がったことはありません(新型コロナウイルス感染症も含む)。しかし、こうしたことは一般の患者さんに知られていないこともあり、特に新型コロナウイルスが重症化しやすいとされる高齢の患者さんに歯科は敬遠されている印象です。

 一方で、5月に入ってから、「痛み」でかけこんでくる急患が増えました。普段は見られない現象です。また、しばらく来院していない患者さんからも何件か連絡をいただきました。ある患者さんは、

「すごく痛いわけではないんですが、歯ぐきに違和感があるんです」

 とおっしゃいます。

「いつでも来てください」

 と答えると、

「やっていないと思っていたので、よかったです」

 と安堵(あんど)していました。他の患者さんのお話も似たようなものでした。自粛期間中には休診や時短での診療をしている歯科も多く、「重症化したら、どうしよう」と不安を抱えている人が多いのだと感じました。

 しかし、一般の歯科治療で不要不急にあたるのは主に、健康な患者さんが予防として定期的に受ける「検診」くらいのものです(診療の継続や延期は自身で判断せずにかかりつけ歯科医に相談することが大事です。こうした患者さん向けのメッセージを各地域の歯科医師会がホームページ上で発表しています)。


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