外野手は遅咲きの強打者三人が並んだ。金本は32歳となるシーズンでトリプルスリーを達成しているが、本当の全盛期は阪神に移籍した35歳以降だった。37歳となるシーズンで打率.327、40本塁打、125打点と打撃3部門でキャリアハイをマーク。そして40歳となるシーズンでも打率3割、100打点をクリアした。山本浩二も30歳を過ぎてから初めてホームランが40本を超え、37歳のシーズンでもホームラン王を獲得。40歳のシーズンを最後に引退したが、最後まで4番打者として十分な働きを見せた。

 そして遅咲きぶりでは和田が際立っている。初めて規定打席に到達したのが30歳になるシーズンで、そこから通算2050安打を積み上げた。38歳となるシーズンで打率.339、37本塁打、93打点と打撃3部門でキャリアハイの成績を残し、MVPにも輝いた。その後、統一球の影響とフォームの改造で成績を落としたが、40歳を過ぎても勝負強い打撃でチームを牽引した。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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