若い世代のがん患者にどう最後まで寄り添う? 2人の医師が吐露した苦悩 (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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若い世代のがん患者にどう最後まで寄り添う? 2人の医師が吐露した苦悩

白石圭dot.#がん#ヘルス#病気#病院
大塚篤司医師 京都大学大学院特定准教授。ニュースサイト「AERA dot.」や京都新聞の連載などで執筆。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版)など。(撮影/倉田貴志)

大塚篤司医師 京都大学大学院特定准教授。ニュースサイト「AERA dot.」や京都新聞の連載などで執筆。著書に『心にしみる皮膚の話』(朝日新聞出版)など。(撮影/倉田貴志)

中山祐次郎医師 総合南東北病院外科医長。Yahoo!ニュースや日経ビジネス電子版の連載などで執筆。著書に『医者の本音』(SBクリエイティブ)など。(撮影/倉田貴志)

中山祐次郎医師 総合南東北病院外科医長。Yahoo!ニュースや日経ビジネス電子版の連載などで執筆。著書に『医者の本音』(SBクリエイティブ)など。(撮影/倉田貴志)

中山:がん告知のあと、抗がん剤治療を始める前です。私はあまり「やめてください」と言うタイプではなくて、「あまり高いのはやめておきましょう」というぐらい。私も効果がわからないんです。ですので患者さんから代替医療をしていることを打ち明けてもらったら、自分でも調べて「1週間後にまた説明します」というふうにしています。

大塚:私の専門はメラノーマ(悪性黒色腫・皮膚がんの一種)ですが、たしかに言いづらいという患者さんは多いですよね。

中山:こんなことを言ったら怒られるのではないかという恐れかと思います。「でも治療も進んでいるし、医師には言っておかなければ……」という気持ち。

大塚:患者さんからすると、代替医療をしていることを伝えるのは、主治医を信じていないというメッセージを伝えることになるのだと思います。いまやっている治療は不十分だから、自分で探してきた方法を選ぶ、と。セカンドオピニオンをとるのにしり込みしてしまう感覚と近いかもしれません。

 患者さんに怒ったり、怒鳴ったりする医師はいますよね。そのような人にかかった患者さんは、以後医師に本音が言えなくなってしまう。しかし、患者が医師を恐れてしまうのをこちらから打破するのは難しくないですか?

中山:そうですね、一朝一夕でできることではないかと。やはり医師に生殺与奪を握られているような感覚があるのかもしれません。とはいえ、医師も普通の人間ですからね。

大塚:医師も悩んで考えて、答えがない中で模索しているんだということを発信することが、すれ違いの解決策だと思っています。中山先生のように医師が本音を言うようになれば、患者さんも本音を言いやすくなると思うんです。

中山:私も完全に同意見で、「医者の人間宣言」ということを言っています。べつに医者をおとしめる宣言ではなく、「医者も生身の人間である」というただの事実ですから。

大塚:かつては医者が神格化されることで、医者にとってメリットはあったとは思うんです。患者さんからの反論を許さないとか。

中山:説明に時間をとらなくて、「これから治療をします。はい、うまくいきました。以上」というような。そして患者さんはそれにただ従っていた。でも私は、「抗がん剤はなんとなく怖い」などでもいいので、患者さんの本音を引き出したい。


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