では、仮に今すぐメジャーに挑戦した場合、どれくらいの成績を残せるものなのだろうか。「打率.280、20本塁打、80打点。今すぐにメジャーへ行ってもそれくらいの数字は残します」とメジャーリーグアドバイザー兼野球アナリストの大慈彌功氏は分析する。

「鈴木の評価が高いのは、守備、走塁を含めたすべてにおいて高い水準を保っているところ。打撃は見ての通り、素晴らしい打者に成長しています。そして肩の強さはメジャーに行っても見劣りしない。もともと投手だったこともあり、送球の正確性にも優れています。肩だけを見ればイチローにも匹敵する。中堅や右翼という外野の重要ポジションを任せたい球団もあるでしょうね」

 打撃以上に評価が高いのが肩の強さを生かした外野手としての守備力。試合前のシートノックではたびたびノーバウンドの『レーザービーム』を見せて周囲を驚かせている。鈴木は2017年に右足首を剥離骨折しており、大慈彌氏は「足に関しては少し不安を抱えている。故障は完治しているというが、時折かばったような動きを見せることもあります」と指摘しつつも「恐怖心もあるとは思うが、これは時間が解決すると思います。もともと足も速いので心配はいらないはず」と言い切る。

 鈴木が攻守において素晴らしい選手であることは間違いない。それでは、メジャーに挑戦する上で懸念されるポイントはないのか。

 大慈彌氏は「少しウエイトがオーバーしているのではないかという心配はあります」と 鍛え上げて大きくなり過ぎた感のある身体を不安材料の一つに挙げる。

「メジャー挑戦を決めてから、これまで以上にトレーニングに没頭してきました。毎年のように身体が大きくなっており、ユニフォームの上からでも筋肉がわかるほど。ムダなぜい肉がついているわけではないですけど、重すぎるのも良くない。しかも下半身に多少、不安を抱えているのだから、これ以上ウエイトを増やさないことが大事だと思います」

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松井も苦しんだ部分