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まもなく花粉飛散開始!つらい花粉症を劇的におさえるアレルゲン免疫療法とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.#ヘルス#病気#病院
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

写真はイメージ(Getty Images)

写真はイメージ(Getty Images)

 花粉症の話に戻りますが、平成28年度の「花粉症患者実態調査」によると、都内のスギ花粉症推定有病率(日常生活に支障がない軽症の方も含む)は48.8パーセント。国民病と言っても過言ではありません。スギ花粉症をなんとかしてくれ、と思っている方も多いのではないでしょうか。

 とてもつらいスギ花粉の症状を、劇的に抑えられる可能性がある治療法があります。
「アレルゲン免疫療法」です。あえてアレルギーを引き起こす成分であるアレルゲンを少しずつ体内に入れて慣れさせることで、花粉を異物と認識して体の外に出そうとする反応を起こさせないようにする治療法です。

 実は、アレルゲン免疫療法は100年以上も前から行われている治療法です。長らく、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年、治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場したことで、自宅で服用できるようになりました。

「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニによるアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。

 薬の飲み方は、1日1回、薬を舌の下に置き、1分間経過したら飲み込むだけ。少量の治療薬から開始し、決められた一定量を継続して内服するだけでいいのです。たったそれだけなのですが、実は根気がとても必要です。

 というのも、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンのScadding氏らが、花粉症に対する2年間の舌下免疫療法は長続きする効果は期待できず、少なくとも3年以上の治療が必要だと報告しているように、舌下免疫療法は3年以上継続することが推奨されています。

 3年以上も飲み忘れなく内服を続けても必ずしも完治するわけではないので、根気の必要な治療と言えますが、長期間の服用を続けることで、完治せずとも、くしゃみや鼻汁、目のかゆみといったアレルギー症状を抑えられるようになり、生活の質の改善や抗アレルギー薬の量を減らすことが期待できるというわけです。


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