その点、アンパンマンやしまじろうは日々貢献してくれるヒーローだ。

 アンパンマンの様々なグッズに毎日助けられている。

 最近お風呂を嫌がるちびに、アンパンマンのバスボムを見せて

「お風呂に入れよっか!」

 と言うと喜んで風呂場まで走って行って服を脱ぎ始める。

 しまじろうは教材を取り寄せるとDVDが付いてきて、「おでかけ おでかけ おててをギュ」とか、「半分こ 半分こ 二人で仲良く半分こ」などのお歌で、おでかけする時は手をつなぎましょうね、とかお友達とおやつやパンを半分こして食べましょうね、といった、生活に密着した細かい知識を歌で学べるようになっている。

 他にも、食べたら歯ブラシしましょうね、外から帰ったらうがいと手洗いをしましょうね、お野菜も食べましょうね、などの、基本的なことをしっかり楽しく教えてくれるのだ。

 特に「半分こ」の歌の教材の時には、マジックテープで半分に分けられるおもちゃのパンとドーナツも付いてきて、ちびはこれが気に入り、

「ママ、はんぶんこちて」

 と、駆け寄って来ては、そのおもちゃを半分こした。

 こうして学ぶことによって、きっと保育園でもお友達と何かしらを半分こしているに違いない。素晴らしい。

 そんなちびを、大阪の出張に同行させた。

 数年前に大阪に転勤した友人が住んでいるので、そこにお世話になることにしたのだ。

 その友人には小2と4歳の娘さんがいる。

 撮影のある日中、ちびをその友人が預かってくれた。

 保育園と実家以外の場所に長時間預けるのは初めてだったので心配もあったが、ちびは終始ご機嫌に過ごしたようで、

「ほんっとにいい子だったよー」

 と友人は言ってくれた。

 が、

「でも一回だけね……」

 え、なになに?

「下の子とおせんべい半分こして食べさせようとしたら泣いちゃって」

 え?

「おせんべい半分に割ったらぎゃーー―って泣いちゃって。はんぶんこしたくなかったみたい」

 そんなバカな。あんなにしまじろうから半分この精神を学んだではないか!

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パキッ、とおせんべいを割ったその瞬間、チビは…