写真はイメージです(getty images)
写真はイメージです(getty images)

 何かと慌ただしい12月も中旬に入り、夜は忘年会がピークを迎えている。一年の労をねぎらい、来年の展望を“飲みニケーション”で語り合うのが毎年恒例の光景だが、近い将来、忘年会は消滅してしまうかもしれない。

 インターネット上では、忘年会を欠席する「忘年会スルー」が話題になっている。「上司にお酌をしたくない」「お金払って説教されたくない」といったことを理由に、忘年会をあえて欠席する若者たちの間で広まっているようだ。

 だが、「忘年会スルー」をしたいのは若者たちだけなのだろうか。都内の出版社で中間管理職として働いている40歳男性は、こう話す。

「忘年会なんて行きたくないですよ。おいしくない料理に安くないお金を払うことに納得できませんし、『上司と飲みに行くのがイヤ』と思っている若い人と、僕らだって話したいとは思わない。それだったら早く帰って子供の顔を見たいですよ」

 ちなみにこの男性は、お酒がまったく飲めないという。それもあってか「毎度、シラフで酔っぱらいの相手をするのは苦痛でしかない」「話すことがあるなら、会社で話せばいい」という考え方だ。

 アンケート調査でも、忘年会スルーの現実は「若手が嫌がって、上司が若者を嘆いている」という単純な図式ではないようだ。

 アンケートサイト「アイリサーチ」が18年11月に実施した「忘年会に関するアンケートモニター調査」によると、忘年会について「好き」「やや好き」と答えた人は20代が43.5%、30代が39.5%であるのに対し、40代は32.0%、50代は28.5%。40代、50代の方が好意的な回答の比率が低かった。忘年会が好きではない理由について、20代でトップだったのは「上司・部下と会話をするのが億劫だから」(58.5%)であるのに対し、40代は「親しくない人と会話するのが得意でないから」(48.8%)となっている。

 東京都内で働く40代男性も、「できれば忘年会スルーをしたい」という。

次のページ
会費の負担が増えている?