鳴りを潜めた“藤川級の直球”…大石達也にみるプロ入り後の「配置転換」の難しさ (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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鳴りを潜めた“藤川級の直球”…大石達也にみるプロ入り後の「配置転換」の難しさ

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西尾典文dot.
今季限りで現役を引退した西武の大石達也(C)朝日新聞社

今季限りで現役を引退した西武の大石達也(C)朝日新聞社

 今年、一人の投手がひっそりとユニフォームを脱いだ。西武ライオンズの右腕、大石達也だ。大石を初めて見たのは2006年夏の福岡大会の対福岡第一戦。当時から県内では評判の右腕で、この時も最速145キロをマークしている。試合は大石の所属する福岡大大濠が1対2で敗れて初戦敗退となったが、7回まではノーヒットピッチングを演じ、強い印象を残した。

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 当時からドラフト候補にも挙げられていたものの、早稲田大に進学。そして1年秋から大石の快進撃が始まる。リーグ戦デビューとなった対東京大戦こそ先発で5回を投げたが、その後は抑えに定着。このシーズンの対慶応大戦から3年春まで38回2/3連続無失点を記録したのだ。1年秋に出場した明治神宮大会での大石のピッチングについて「アマチュア野球vol.15(日刊スポーツ出版社)」のドラフト候補スカウティングリポートというコーナーで以下のように書いた。

『(前略)高校時代も速かったが、この日の大石のストレートは尋常ではなかった。いきなり140キロ台後半を連発して相手を圧倒すると、合計7球150キロ台をマーク。(中略)試合後、八戸大の選手が参ったという表情で「大石速かった~」と話していたのは本音だろう。先発した斎藤佑樹よりも相手に与えたインパクトは大きかったはずだ』

 この試合で大石は6回からリリーフして打者13人を相手にわずか1安打、7奪三振という圧巻のピッチングを見せている。大げさではなく藤川球児(阪神)のようなストレートの勢いに強く心を奪われた。そして大石は2010年のドラフト会議で6球団競合のすえ西武に入団。斎藤に代表される“ハンカチ世代”と呼ばれた大学生の中でも、この時点での評価は間違いなくナンバーワンだったのだ。

 しかし大石のプロ野球生活は大きな期待とは裏腹に苦しいものとなった。通算成績は9年間のチーム在籍で実働7年、132試合、5勝6敗8セーブ12ホールド、防御率3.64という数字が残っている。中継ぎの一角として活躍した時期はあったものの、6球団競合のドラフト1位選手としては寂しい結果と言わざるを得ないだろう。


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