ソフトバンク・福田秀平外野手(C)
ソフトバンク・福田秀平外野手(C)

 今年のフリーエージェント(以下FA)戦線は意外な選手が主役となっている。ソフトバンクの外野手、福田秀平だ。ここまで西武中日ヤクルトロッテ楽天の5球団が獲得に乗り出しており、いずれもソフトバンクの提示した4年総額5億円以上の好条件を提示したと見られている。

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 福田の通算成績は実働9年間で255安打、打率.235となっている。選手層の厚いソフトバンクで出場機会が恵まれないこと、今季の年俸が安く、Cランクのため人的補償が発生しないことを考えても破格の条件であることは間違いない。そこで今回は福田のように、所属していたチームではレギュラーでなかった選手がFAで移籍して成功しているかどうかを振り返ってみたいと思う。

 レギュラーではなかったCランク野手のFA移籍と、その移籍前年、移籍した年の成績をまとめてみると以下のようになった。(すでに実績があり、2度目のFAだった中村紀洋、小笠原道大は除外)

野口寿浩(阪神→横浜:2008年オフ)
2008年:55試合 27安打1本塁打9打点0盗塁 打率.191
2009年:17試合 8安打0本塁打3打点0盗塁 打率.211

藤本敦士(阪神→ヤクルト:2009年オフ)
2009年:47試合 14安打0本塁打1打点0盗塁 打率.219
2010年:65試合 43安打2本塁打18打点1盗塁 打率.230

橋本将(ロッテ→横浜:2009年オフ)
2009年:94試合 59安打2本塁打27打点0盗塁 打率.234
2010年:43試合 33安打2本塁打13打点0盗塁 打率.246

藤井彰人(楽天→阪神:2010年オフ)
2010年:8試合 4安打0本塁打2打点0盗塁 打率.222
2011年:99試合 59安打2本塁打15打点1盗塁 打率.223

鶴岡一成(巨人→DeNA:2011年オフ)
2011年:34試合 12安打0本塁打1打点0盗塁 打率.218
2012年:102試合 38安打1本塁打15打点0盗塁 打率.189

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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