さらに、現在の日本代表候補には日本ラグビー協会と専任契約を結ぶなどして数シーズンにわたってセブンズに特化して活動してきたスペシャリストが揃っており、彼らとのポジション争いも待ち構えている。

 フィジー遠征中のチームでは、リオにも出場した坂井克行(豊田自動織機シャトルズ)は早稲田大学在学中の2010年にセブンズの代表に初選出され、キャプテンも経験。今年1月にはセブンズの主要国際大会の出場回数で国内トップとなった、世界的にも一目置かれる「ミスターセブンズ」だ。

 一方、坂井からキャプテンを引き継いでチームをリオで4位に導いたのが桑水流裕策(コカ・コーラレッドスパークス)。リオ後はセブンズから離れていたが、今年から代表の活動に復帰。歴代の代表ヘッドコーチが後任を探しても見つからなかった、キックオフなど空中戦のスペシャリストだ。

 小澤大(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、合谷和弘(クボタスピアーズ)、藤田慶和(パナソニックワイルドナイツ)、山内俊輝(リコーブラックラムズ)は日本ラグビー協会と専任契約を結んで、セブンズ優先で取り組んでいる。合谷はリオの代表。一方、藤田は2015年の15人制のワールドカップ代表に選ばれたが、リオはバックアップで代表入りを逃した悔しさを晴らそうと東京での出場を目指している。林大成のようなチームに所属せず、日本協会と契約してセブンズ一本に集中している異色の選手もいる。

 後藤輝也(NECグリーンロケッツ)、羽野一志(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス)、彦坂匡克(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)もリオ代表組と、世界舞台を知る選手が揃っている。

 開幕まで残り9カ月弱。ワールドカップで躍進した「ONE TEAM」の15人制代表同様に、日本ラグビー界の総力を結集したベストメンバーで東京オリンピックに臨み、前回の4位を上回る成績が期待される。

 東京オリンピックでは男子に続いて女子のセブンズも実施される。

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女子の代表の実力は…