ニュージーランドはSWSの10大会すべてに出場できるコア(中核)チームで、この時期は来月から始まるシリーズに向けた準備期間。今回は12選手中4人が初代表と選手を試す機会でもあったが、リオ後、苦しい成績が続いてきた日本の男子セブンズにとっては、久し振りに明るい話題だった。

 日本は昨年7月のワールドカップ・セブンズ(7人制ラグビーのワールドカップ)で参加24チーム中15位に終わった。昨年から今年にかけて行われたSWSにはコアチームとして全10戦に参加したものの下位に低迷。6月に行われた最終第10戦パリ大会で上位8強入りを目前で逃してシリーズポイントを稼げず、コアチームからの降格が決まった。

 それでも、第9戦ロンドン大会では昨年のワールドカップ・セブンズ準優勝のイングランド、パリ大会ではフランスと格上で地元のチームを破っており、上昇の兆しは見えてきている。

 ワールドカップを戦った15人制の日本代表の中で、リオデジャネイロオリンピックに出場している福岡堅樹(パナソニックワイルドナイツ)とレメキ ロマノ ラヴァ(ホンダヒート)はセブンズで東京オリンピック出場を目指す意向を表明しており、松島幸太朗(サントリーサンゴリアス)も8日の取材対応時にセブンズへの挑戦を考えていると明かした。史上初のワールドカップ8強入りに貢献した3選手が加われば、大きな戦力になると期待される。

 一方で、いまや15人制のラグビーとセブンズは別のスポーツと言われるほど専門性が高くなっているだけに、リオを経験している福岡、レメキであっても、3シーズンの間、15人制に集中してきた後に数カ月~半年という短期間でセブンズに適応するのは大きな挑戦だ。

 リオに向けて、15人制のワールドカップで優勝経験のあるソニービル・ウィリアムズ(ニュージーランド)とブライアン・ハバナ(南アフリカ)、さらにクエード・クーパー(オーストラリア)といった15人制のビッグネームがセブンズでのオリンピック出場を目指したが、実際にオリンピックの舞台に立てたのはウィリアムズだけだった。

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7人制は全く別の競技?