大畑さんは、『ラグビー日本代表写真ガイド RUGBY PHOTOBOOK & GUIDE JAPAN 2019』でロングインタビューに答え、大きく進化したラグビー日本代表チームの現状と、対戦国とどう戦うか、どこに注目して観戦すべきかを語っている。

 大畑さんが指摘するとおり、サモア代表には世界各国のトップクラスのチームで活躍する選手が多く、実力派が顔を連ねる。非常にポテンシャルの高いメンバーが揃っているが、チームとしては確固たる決まりにのっとってゲームを組み立てることはあまり得意ではなく、外へ中へと「オフロードパス(タックルを受けながらのパス)」をつなぎ、突破を目指すスタイル。

 アイランダーならではの大きな身体と高い走力、つまりパワーとスピードのある選手が多いのが特徴で、それをきっちり止められるかが、サモアのアタックを阻むカギとなる。また、ディフェンスでは激しいタックルを繰り出してくるため、注意が必要だ。

大畑:だからこそ、サモアの選手とは、1対1の関係にならないことが何よりも大事です。相手に数的優位を作らせず、タックル後も素早く起き上がって対応する。個に対して、日本は組織で戦うことがカギになります。

 サモアで注意すべき選手のひとりが、2009年からサントリーで7シーズン、16年にサンウルブズでプレーしたことがあり、日本でもなじみのあるSO(スタンドオフ)のトゥシ・ピシ。今回はリザーブ(控え)での登録だが、スピードとパワーを併せ持ち、予想のつかないパスやキック、ランを見せるピシがグラウンドに出てきたら要注意だ。

 日本代表で注目したいのは、地元出身の姫野和樹選手。ワールドカップ開幕後、率先して体を張り、何度もすばらしいボールキャリーを見せて、先発メンバーの座を不動のものにした。『ラグビー日本代表写真ガイド』のインタビューで、「豊田での試合には絶対に出場したい」と語っていた夢を叶えたかたちだ。いつも以上に熱いプレーでファンの期待に応えてくれるに違いない。

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サモア戦の試合登録メンバーは?