一般的に、入試難易度と学費は反比例で、学費が大幅に安くなると、難易度が上がります。 

 08年に順天堂大が6年間の学費を約900万円も値下げしたことによって、偏差値が急上昇しました。その後、昭和大(一般入試合格者)、東邦大、帝京大、東海大、藤田保健衛生大(現・藤田医科大)、愛知医科大も値下げしました。
 
 18年には、「私立御三家」の一角を占める日本医科大が570万円値下げして、偏差値が上昇しました。
 
 一般的に、学費が安い私立大は、国公立大の併願先となることが多いです。表をみると、学費が安い医学部のトップテンのうち8大学が首都圏にあります。

 首都圏在住者の場合、地方の国公立大に進学して、6年間の住居費、食費などがかかることを考えると、自宅から通える学費の安い私立大を選ぶケースも少なくありません。
 
 なかには、防衛医科大学校、産業医科大、自治医科大のように、卒業後
の一定期間、定められた勤務を遂行すれば、学費がゼロ、あるいは低学費で医師になれる医学部もあります。
 
 自治医科大と同じように、卒業後の一定期間、地域医療に従事すると、修学資金の返済が免除になる「地域枠」もあります。

(文・庄村敦子)

※『医学部に入る2020』から抜粋