巨人の中川皓太 (c)朝日新聞社
巨人の中川皓太 (c)朝日新聞社

 今月25日、周東佑京(ソフトバンク)が代走要員として11月開催のプレミア12に選出されることが確実と報道された。周東は東農大二(群馬)から東農大北海道オホーツクを経て2017年のドラフト会議で育成2位で入団。プロ入り2年目となる今シーズンの開幕直前に支配下登録されると、いきなり25盗塁をマークする活躍を見せている。ここまでの打率は1割台だが、短期決戦に必要な足のスペシャリストとして大抜擢となった。そこで今回は他にもプレミア12の侍ジャパンにぜひ選出してもらいたい若手選手をピックアップしてみたいと思う。(※成績は9月27日終了時点)

 野手の筆頭となるのはやはり村上宗隆ヤクルト)だろう。プロ入り2年目の今シーズンはここまで全試合に出場してともにリーグ3位の36本塁打、96打点をマークしている。村上の良さはただパワーがあるだけではない。打つ形が非常に安定しており、特に前後に崩されることが少ないのだ。36本のホームランの内訳を見て見るとライト方向が18本、センター方向が5本、レフト方向が13本と広角に打ち分けられているのもとても高校卒2年目とは思えない。

 更にカウント別で見てもファーストストライクをホームランにしたものが14本あり、その積極性も持ち味だ。リーグ記録を更新する183三振を記録し、打率も2割台前半と確実性にはまだまだ課題はあるものの、基本的な形がしっかりしているため、慣れれば自然と改善されていく可能性が高い。近い将来、日本代表の中軸を任せられる存在となるためにも、早いうちからトップチームでの国際舞台を多く経験させておくべきだろう。

 秋山翔吾(西武)がオフにメジャーに移籍する可能性が高いことを考えると、外野手も新たな戦力を発掘しておきたい。その筆頭候補となるのは西川龍馬(広島)だ。内野での送球難から今シーズンから本格的に外野手に転向したが、夏場以降は完全にセンターのレギュラーに定着。広い守備範囲を生かした守備で、度々転向一年目とは思えないプレーを見せている。打つ方も入団直後から天才的と言われたバットコントロールにパンチ力が加わり、ここまで16本塁打、64打点をマークしている。外国人投手の動くボールに対しては、西川の対応力の高さが大きな武器になることは間違いないだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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