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自らが提案したエージェント制度、その行方は…吉本の歴史に刻んだ、加藤の“変”

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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ついに残留を表明した加藤浩次(C)朝日新聞社

ついに残留を表明した加藤浩次(C)朝日新聞社

 吉本興業をめぐる一連の騒動がこんなにも長引いてしまった理由の1つは、所属タレントの加藤浩次が生放送の番組内で「取締役が変わらなかったら会社を辞める」と高らかに宣言して、経営陣と真っ向から対立する姿勢を示したからだ。いわゆる「加藤の乱」である。

 もともとは反社会的勢力を相手にした闇営業に参加した件で宮迫博之ら芸人たちの処分が問題となっていただけだったのに、宮迫と田村亮の記者会見、岡本社長の記者会見、そしてそれらを受けた生放送中の加藤の発言が続いたことで、世間の批判の矛先は吉本興業に向けられ、騒動が一気に広がってしまった。

 だが、そんな「加藤の乱」もようやく終結に向かっている。吉本興業では、経営アドバイザリー委員会が設置され、8月8日に初会合が行われた。そして、「所属する全芸人と『共同確認書』という書面の契約を結ぶ」「従来のマネジメント契約に加えて新たに『専属エージェント契約』を導入して、芸人が2つの契約形態から選べるようにする」ということが発表された。タレントと契約書すら交わしていないというずさんな実態が明らかになり、批判の声が高まったことを受けて、この点について大改革が行われることになった。

 8月9日放送の「スッキリ!」でもこのニュースが取り上げられ、加藤は「エージェント制度の導入は自分の提案によるものだ」ということを話した。そして、経営陣が変わらなければ会社を辞めるという前言を翻し、会社に残って改革の成果を内側から見守っていくつもりだと伝えた。

 エージェント制度は、プロスポーツの世界やハリウッドなど海外のエンターテインメント業界では一般的なものだ。タレントが個人としてエージェントを雇い、自らマネジメントを行う。タレント自身が自由に活動して取引先を選べるようになる一方、トラブルが生じた場合の責任も自分自身で負うことになる。

 番組内で加藤が説明していたところによると、専属エージェント契約を結んだ芸人は、個人事業主としてさまざまな活動を自由にできるようになる。吉本興業はその中の取引先の1つにすぎない、ということだ。これまでの日本の芸能界ではほとんど前例のない試みであり、この制度がこれからどう運用されることになるのか、具体的なことはまだはっきりと分からない。

 同番組内で加藤は、マスコミが自分と松本人志の間にある対立関係を強調し、煽ってきたことに疑問を投げかけた。7月22日の「スッキリ!」で会社を辞めると発言して以来、報道は過熱する一方だったが、当の加藤本人は騒動について深くは語らず、沈黙を保ってきた。ここで初めてその間に起こっていたことを詳しく説明していた。


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