トルコで日本人選手の評価を高めた香川真司(写真:getty Images)
トルコで日本人選手の評価を高めた香川真司(写真:getty Images)

 3月のコロンビア戦、ボリビア戦で香川真司(ベシクタシュ)が9カ月ぶりに日本代表復帰したことで、トルコリーグ(シュペルリグ)への注目がにわかに高まっている。これまで稲本潤一(06-07シーズン・ガラタサライ)、細貝萌(15-16シーズン・ブルサスポル)、瀬戸貴幸(15-17シーズン・オスマンルスポル)の3人が参戦してきたトルコだが、2018年1月に長友佑都がインテルからガラタサライへ赴き、国内リーグ制覇の原動力になったことで、一気に日本人の評価が上がった。そして今年1月に香川が参戦。ドルトムント、マンチェスター・ユナイテッドでタイトル獲得経験のあるビッグネームがやってきたことで、国内は大いに盛り上がっている。

 トルコでは現在、サッカーチケット購入のために「PASSOLIG」というカードを作らなければいけない仕組みになっているが、香川加入後の1カ月間でベシクタシュのカード登録を行った日本人は2000~3000人に上ったというから、影響力の大きさが伺える。本拠地「ボーダフォンアリーナ」内にあるチームショップでは、入り口に背番号23のユニフォームと香川オリジナルTシャツを着せたマネキンを複数台設置。国内外から訪れる日本人観客にアピールしたところ、ユニフォームやTシャツが飛ぶように売れたという。

 テレビ放映に関しても、「日本国内でトルコ・シュペルリグの放映権を持つDAZNが『日本のゴールデンタイムに放送できるようにベシクタシュの試合開始時間を前倒ししてほしい』と要望したらしい」という噂が現地ではまことしやかに流れていた。もちろん、香川の看板があってこそだが、それだけの経済効果が見込めることがベシクタシュも他のクラブもよく分かったはずだ。

 その流れを加速させるべく、3月にはトルコ・シュペルリグ会長も兼務するベシクタシュのフィクレット・オルマン会長が来日。「(来季からの)香川の完全移籍を望んでいる。その後には複数年契約を結びたい」とコメントした。その後、香川の移籍金が高額すぎることから完全移籍を断念するといった話、あるいはドイツのシャルケやレバークーゼンに移籍するといった報道が流れ、今後の動向は不透明になっている。が、ベシクタシュが「香川に続く日本人選手」を探しているのは間違いないとみられる。

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現地で出てくる清武、室屋、さらには鈴木優磨や安倍の名前