すでに現地メディアでは、ニュルンベルクやハノーファー、セビージャでプレーした清武弘嗣(C大阪)や森保一監督体制になってから日本代表に定着した室屋成(FC東京)の名前が浮上。清武は「自分より若い選手の方がいいんじゃない」と苦笑いしていたが、幼馴染の南野拓実(ザルツブルク)を追って海外へ行きたいと前々から考えている室屋の方は歓迎だろう。

 室屋が長友と同じサイドバックというのも追い風だ。長友はトルコ屈指の名将、ファティ・テリム監督(現ガラタサライ)が直々に「来てほしい」と電話をかけて口説き落としたほど高評価を受けている。今季も肺気胸や体調不良、ひざのじん帯損傷などのアクシデントに見舞われながらも、ガラタサライで絶対的な地位を築いている。その長友に似た経歴で、同じような走力、ダイナミックさを備えた室屋がフォーカスされるのも、当然と言えば当然かもしれない。本当にオファーが届けば、移籍話が具体化する可能性は大いにある。

 もっとも、ベシクタシュが候補に挙げているのはその2人だけではなさそうだ。実は現地取材に赴いた際、あるクラブ関係者がこう話しかけてきたのだ。

「2018年のFIFAクラブワールドカップ(FCWC)に出たスズキユウマ(鈴木優磨)とアベ(安部裕葵)は将来性の高い選手。ユウマは今、ケガをしているんだろう。復帰までどれくらいかかるのかな」

 そんな情報を入手しているのだから、彼らが鹿島アントラーズの若手のホープに強い興味を抱いているのがハッキリ分かる。だが、ベシクタシュがチェックしているのはFCWCに出たタレントだけにとどまらなかった。

「黄色のユニフォームのチームの右サイドバック。あれはいい選手だね」

 黄色のユニフォームと言えば、今季J1では清水エスパルスかベガルタ仙台の右サイドバックかと思いきや、そうではなかった。「柏レイソルのコイケ(小池龍太)。あれはいい選手だね」と言い始めたのだ。小池が森保ジャパンの看板アタッカー・中島翔哉(アルドゥハイル)の従兄弟だということまで知っていたのだから、関心の高さが感じられた。

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フェネルバフチェはあの元日本代表に興味か