ヤンキースの田中将大 (c)朝日新聞社
ヤンキースの田中将大 (c)朝日新聞社

 ひと足早く日本での開幕シリーズが行われたが、メジャーリーグの本格的な開幕は現地3月28日から。イチローこそ劇的な引退表明で現役を退いたものの、今季も多くの日本人選手が各チームでしのぎを削る。そこで今回は彼らの所属チームのプレーオフ進出の可否を見極めてみようと思う。

■今季の日本人メジャーリーガーと所属球団は以下のとおり。

田中将大(ヤンキース)
大谷翔平(エンゼルス)
菊池雄星(マリナーズ)
ダルビッシュ有(カブス)
前田健太(ドジャース
平野佳寿(ダイヤモンドバックス)

※開幕時にロースター枠にいない牧田和久(パドレス)は除く

 結論から言えば、プレーオフ進出確率が高いのは、田中のヤンキースと前田のドジャース、ダルビッシュのカブスだろう。この3チームは昨季もプレーオフに進出しているように、一定の地力を今季も有している。

 ヤンキースは主力の流出が昨季11勝ながら防御率4.90だった先発右腕ソニー・グレイと、途中加入で最初からオフの退団が濃厚だったアンドルー・マカチェン外野手くらい。移籍後に7勝0敗だったベテラン左腕J.A.ハップが残留したのは大きい。

 エースのルイス・セベリーノが5月まで故障から復帰できず、ベテランのC.C.サバシア投手も心臓の手術明け。ディディ・グレゴリアス遊撃手もひじの手術でシーズン途中からの復帰となるが、マリナーズのエース左腕だったジェームズ・パクストンを獲得。守備に不安がある内野にはトロイ・トゥロウィッキー、D.J.ラメーヒューとゴールドグラブ賞経験者を補強した。

 昨季にリーグ最多の267本塁打を放った打線はもちろん健在。故障に苦しんだアーロン・ジャッジ外野手とゲリー・サンチェス捕手の状態が万全ならば、300発の大台到達さえ見込めるだろう。

 ただしヤンキースのア・リーグ東地区には、昨季のワールドシリーズ王者にして宿敵でもあるレッドソックスが君臨する。ここ3年は地区3連覇を許すなど水を開けられた感があり、今季もライバルは強固な戦力を確保している。プレーオフ進出だけならばワイルドカードを加味すればまず安心できるが、リーグ優勝、そしてワールドシリーズ制覇のためには打倒レッドソックスが必要となる。そのためには田中にも先発ローテーションの全うと200イニング登板はもちろん、タイトルを取るくらいの活躍が求められるだろう。

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