復帰が見込まれる大迫勇也(写真:getty Images)
復帰が見込まれる大迫勇也(写真:getty Images)

アジアカップも準々決勝。森保一監督が率いる日本代表は本日24日にベトナム代表と対戦する。2007年に続く二度目のベスト8進出となったベトナムだが、その当時より明らかにチームがレベルアップしており、現在アジアの中で最も勢いがある代表チームといっても過言ではない。

 “ベトナムサッカーの父”とも呼ばれるパク・ハンソ監督が率いるチームは[5-4-1]というシステムを採用しているが、単に守備を固めるチームではなく、相手を引き込んでボールサイドに数的優位を作るディフェンスを敢行してくる。そこから攻勢に転じれば左右のサイドバックとサイドハーフが上がり[3-4-3]になるなど、ハードワークをベースにアグレッシブな戦い方で90分戦い抜くことができるチームだ。

 中央は右からドー・ドゥイ・マン(180cm)、キャプテンのクエ・ゴック・ハイ(180cm)、B・T・ドゥン(181cm)と並ぶ。右サイドバックはグエン・トロン・ホアン(169cm)、左はドアン・バン・ハウ(185cm)だ。一人一人の機動力が高くチャレンジ&カバーもスムーズだ。ただ、ボールに寄りすぎる傾向があり、そこは日本が付け入る隙になる。

 日本代表は大迫勇也の1トップ復帰が濃厚だ。トルクメニスタン戦で2得点したが、大会前に負った右臀部の痛みが再発して、しばらく別メニューでの調整が続いていた。武藤嘉紀が累積警告で出場停止だが、このタイミングで大迫が復帰すれば非常に心強い。

 ラウンド16でベトナムにPK戦の末に敗れたヨルダンは2トップを採用していた。ベトナムの5バックは縦のボールに対しては1人が積極的にアタックし、残った選手たちが距離を詰めながらカバーする。ベトナムの1つの問題はロングボールに対して中央の3人とボランチの間にスペースが生じやすいことだ。

 ボランチはグエン・フイ・フンとドー・フン・ドゥンという選手たちが主力を担い、中盤でボールを奪いに行くディフェンスはタイトだ。ただ、頭を越えていくボールに対しては5バック、とりわけ中央の3人に託してしまうため、ロングボールの直後に、ディフェンスラインとボランチの間でボールを持たれやすい。

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流れの中でのゴールも十分に可能