急逝したミリオンセラー著者・辰巳渚さんが遺稿に残した20歳の息子へのメッセージとは? (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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急逝したミリオンセラー著者・辰巳渚さんが遺稿に残した20歳の息子へのメッセージとは?

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(撮影・大河内禎)

(撮影・大河内禎)

辰巳渚さんの遺作『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと~』(文藝春秋社刊)

辰巳渚さんの遺作『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと~』(文藝春秋社刊)

 昨年6月、バイクの事故で急逝した文筆家・生活哲学家の辰巳渚さん(享年52)が死の直前まで執筆していた遺作『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと~』が1月、発売になった。

 2000年に『「捨てる!」技術』がミリオンセラーとなり、昨今の「片づけブーム」のきっかけを作った辰巳さんは、近年は「家事塾」「生活哲学学会」「生活の学校」などを創設、家事セラピストなどの育成にも力を注ぎ、生涯に渡って、生活(暮らし)こそが人が自立して生きる根本であることを訴えてきた。担当編集者が明かす著者不在のまま、本が完成するまでの秘話とは?

***

 私のPCの送信箱には、今も、6月26日の12時53分、辰巳さんにあてて「お原稿、そろそろいかがですか?」と書いて送ったメールが残っています。しばらくバタバタしていて、連絡をしておらず、でもその時ふと「辰巳さんの本にもそろそろ取りかからなければ。ちょっと催促しなきゃ」と思い立ち、2ヶ月ぶりくらいにメールをお送りしたのです。
しかし、返事は来ず、その翌日、私はフェイスブックを通じて、辰巳さんの死を知ることになりました。

 後から分かったのは、私がメールを出した時間帯は、その日の朝、北軽井沢で事故にあわれた辰巳さんが、病院で亡くなる直前だったということ。なぜ、その時間に思い立って、数か月ぶりのメールを出したのか。今思っても、本当に不思議なのですが、辰巳さんが旅立たたれる前に「あの原稿を本にして世に出してね」と、告げに来て下さったとしか思えないのです。

 私は、霊感もなければ、スピリチュアルな人間でもないですが、強い「想い」や「意識」というのは、目には見えないけれど、人に届いたり、現実を動かしたりすることがあると思います。今回も、辰巳さんが何としても伝えたい強い「想い」があったのだと思います。

 もともと、本書は、一昨年の秋に、辰巳さんが、「息子が大学進学とともにひとり暮しを始めたのだけど、あまりちゃんと生活の仕方を教えていなかったことに気づき、ひとり暮らしの人やその親御さんのための本を出したい」とおっしゃったことがきっかけでした。暮れに第一稿をいただき、年明けに細かな打ち合わせをし、秋の刊行を目指して、さらに書き足したり調整したりしていただいている途中でした。ご本人としか、やりとりをしていなかったので、どこまでお原稿が進んでいるかも分からなければ、それを誰に聞いたらいいのかも分かりません。

 


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