松井秀喜、新庄剛志に監督待望論(c)朝日新聞社
松井秀喜、新庄剛志に監督待望論(c)朝日新聞社

 プロ野球界で監督に就任できるのは12人のみ。現役時代はスター選手として活躍したが、コーチを含めて指導者経験が一度もないOBは意外に多い。2018年4月23日に上行結腸ガンで71歳で亡くなった広島OBの衣笠祥雄氏もその一人だ。2215試合連続出場のプロ野球記録を持ち、国民栄誉賞を受賞した「鉄人」だが、指導者としてユニフォームに袖を通すことはなかった。

【画像】球界関係者から呼び声が高いのはこの人

 監督待望論が最も根強いのが元巨人の松井秀喜氏だろう。現役時代は「ゴジラ」の愛称で球史に残る長距離砲として活躍。巨人、ヤンキースと常勝軍団の一員で日米通算507本塁打をマークした。引退後は巨人の春季キャンプで臨時コーチを務めて注目を集めたが、現在も拠点は米国でヤンキースのGM特別アドバイザーとして、2Aや3Aのマイナー選手の打撃コーチを務めている。巨人ファンだけでなく、他球団のファンからも「松井監督が実現すれば球界が盛り上がる。強い巨人をもう一度作ってほしい」という声は多い。

 同じ巨人OBで球界関係者から「指導者として見てみたい」と呼び声高いのが江川卓氏。剛速球で怪物の異名を取り、ドラフト時の「空白の一日」は世論を巻き込む大騒動になった。解説者としての分析力は現場の指導者から評価が高い。中日で監督として4度のリーグ優勝を飾った落合博満氏がスポーツバラエティ番組「戦え!スポーツ内閣」(毎日放送)にゲスト出演した際も江川氏に言及。「(巨人の監督として)おれは江川を見てみたい。ずっとそう思っていた。他の人は大体こういう野球をやるんだろうなって想像つくけど、江川の野球だけは想像がつかないからやらせてみたい」と発言している。

 「今までの野球界の常識を覆しそう」とネット上で監督就任を望む声が上がっているのが新庄剛志氏だ。阪神、メッツ、ジャイアンツ、日本ハムと4球団を渡り歩き、個性的なファッション、パフォーマンス、発言でグラウンド外でも話題に事欠かなかった。「記録より記憶に残る男」として抜群の人気を誇り、現在はバリ島を拠点に実業家、クリエイター、タレントとして活動。

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新庄氏の見解は…