<<彼の詞にはメッセージがある。世界中でもこんなに強く訴えかけているアーティストは他にはいないかもしれない。語学力のない私でさえ、どこで覚えたのか勝手に平和を願う気分になる。私は(ラジオで)「ハッピー・クリスマス」とだけ曲紹介をして、(邦題の副題である)「戦争は終った」とは言わなかった>>(『生病検査薬≒性病検査薬』、「クリスマスソング」より)

 飯島さんがコラムでそう語っていたジョン・レノンの「ハッピークリスマス」が、いつものように街に流れていたこの年のクリスマスは、飯島さんと関わった多くの人たちにとって、人生で一番悲しいクリスマスとなった。

「つい最近も、当時の関係者と話したんです。愛さんが生きていて、あの事業を成功させていたら、今ごろ社会は変わり、例えばアダルトグッズだってもっと明るくて、女の子が手に取りやすいものになっていただろうって」(ウエマツさん)

 最後に、前出の「爆睡」コラムに出てくる「緊急入院して手術した」スタッフに話を聞くことができたので、シメとしたい。コラムの後半、飯島さんはそのスタッフが「1日2万5000円」の個室に入っていたことを知ってツッコミを入れたりしているが、実はこのスタッフの入院騒動には、続編があった。

「コラムにも書かれているように、私は手術を終えて無事退院。まもなく仕事も復帰したのですが、食べ過ぎから腸閉塞を起こしてしまったんですね。再び同じ病院に舞い戻ってしまったのですが、飯島さんは退院後の食べ物について、私に何の注意もしなかった病院の対応に激怒して、あっという間に別の病院に転院させられました。再び退院した後、私の自宅にロケバスでお見舞いにも来てくれて、うちの親にわざわざ挨拶をしてくださったり。スタッフを我が子のように大切にしてくれる、本当に心暖かいボスでした」(文/福光恵)