「主夫の友アワード 2018」の受賞式の出席者。右から山口祥義佐賀県知事、高田延彦さん、劔樹人さん、マンガ「極主夫道」の編集担当者(「秘密結社主夫の友」提供)
「主夫の友アワード 2018」の受賞式の出席者。右から山口祥義佐賀県知事、高田延彦さん、劔樹人さん、マンガ「極主夫道」の編集担当者(「秘密結社主夫の友」提供)

 10月10日、「いい夫の日」に発表された「主夫の友アワード」。これまで、放送作家の鈴木おさむさんや卓球の水谷隼選手、ユージさんらが受賞し、4年目の今年は山口祥義佐賀県知事や高田延彦さんらが授賞式に出席した。主催する「秘密結社主夫の友」の杉山ジョージさんが感じる、主夫に向けられる社会の目とその変化とは。

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 主夫の認知拡大や男性の家事育児参画の促進に積極的な発信をした人を表彰する「主夫の友アワード」が4年目を迎え、今回も4部門の表彰を行った。行政部門は、「マイナス1歳からのイクカジ推進事業」という妊娠期からの夫婦をバックアップする取り組みを行っている佐賀県の山口祥義知事。インターナショナル部門ではヒーローが妻のために主夫として家事や子育てに取り組む姿が描かれた映画「インクレディブル・ファミリー」。授賞式には宿敵アンダーマイナーの日本語吹替え版ボイスキャストを担当した高田延彦さんが登壇し、「最高の主夫たちよ!出て来いや!」と会場を盛り上げた。そして主夫部門は、兼業主夫としての日常を描いたコミックエッセイ「今日も妻のくつ下は、片方ない。」の著者でマンガ家の劔樹人さん。作品部門は、現在くらげバンチで連載されている、デザイナーの妻のために主夫の道を選んだ伝説の極道"龍"を描いたマンガ「極主夫道」。

 県知事から極道まで、なかなか同じ画面に並ぶことがない顔ぶれ。しかも、その共通点が家事育児というのがなんとも不思議な感じである。

■作品に登場するようになった"主夫"

 2014年に結成した我々は、翌年からこの取り組みを始めた、振り返ってみると放送作家の鈴木おさむさん、小島慶子さん、卓球の水谷隼選手、ユージさん、関根麻里さんなどを表彰してきたが、よくもまあ4年も続いたと思う。なぜなら、初回を行った2015年。イベント開催に向けた会議では、そもそも誰を表彰すればいいのか?というところから難航した。すでに"イクメン"という言葉は世に出ていて、男性が家事や育児をすることに対しては比較的好意的に受け入れられる、いやむしろチヤホヤされるような風潮はあったものの"主夫"となるとまたハードルが上がるだろう……。そう我々自身も感じていたので、「表彰させてください」とオファーすることにも二の足を踏んだ。

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阿部寛の「アットホーム・ダッド」から14年