古賀茂明「貴乃花引退で記者クラブは潰した方がいいと思う理由」 (6/8) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「貴乃花引退で記者クラブは潰した方がいいと思う理由」

連載「政官財の罪と罰」

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古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

引退を表明した貴乃花親方(c)朝日新聞社

引退を表明した貴乃花親方(c)朝日新聞社

 特権を与えられた記者クラブの記者たちは、自然と取材先に依存するようになる。取材先は、その優越的な立場を利用して、自分に都合の悪い記者には、情報を与えずいわゆる特オチ(特ダネを報道できないこと)にさせたり、取材を拒否したりして脅し、言いなりになる記者には特別に情報を与えたりして、思い通りの記事を書かせるようになる。クラブの記者たちは、そういう非常に歪んだ空間に自分たちがいることが当たり前となり、気づいたときには、取材先の意向ばかり気にする「忖度記者」になっていくのだ。

 今回の件も、相撲協会の記者クラブ(東京相撲記者クラブ)の記者たちが、協会の意向を忖度して、貴乃花親方追放が成就するまでの間、理事会決定事項を知っているにもかかわらず、記事にしなかったようだ。なぜなら、あまり早くこの問題が明るみに出ると、ネットなどで協会批判が噴出し、せっかくの策略を撤回しなければならなくなるという協会側の懸念を記者たちが慮って報道自粛をしたのだろう。

 念のため、何社かの大手新聞社やテレビ局、雑誌社の敏腕記者たちに聞いたところ、相撲記者クラブの悪評は際立っている。他のクラブの記者から見ても「彼らは異常」「協会べったり」「相撲担当記者自身が、その異常さを自慢している」などという声を聞くことができた。

 ちなみに、テレビ朝日を見ている人は気づいていると思うが、テレ朝では最近相撲の取り組みに関する映像が流れない。テレ朝関係者によれば、貴ノ岩傷害事件の際に、協会の意向を無視して、貴乃花親方単独インタビューの特番を放送したため、それ以降相撲映像使用が禁止されてしまったのだという(その代わりなのか、アベマテレビでは相撲中継を行っている)。本来は、公益法人が報道の自由に圧力をかけるようなことをしてもいいのかと内閣府に申し立てればよいと思うのだが、テレ朝は、あくまでも事を荒立てず、来年くらいからは映像使用許可を出してくれないかと待っているようにも見える。こうした事情から、明確な「パワハラ」批判は局としてはできないのだろう(ちなみに、同じ系列局の中でも、大阪の朝日放送テレビでは、貴乃花親方の会見当日の番組で、非常に強い調子で協会の「いじめ」を批判していた)。


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