古賀茂明「貴乃花引退で記者クラブは潰した方がいいと思う理由」 (5/8) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「貴乃花引退で記者クラブは潰した方がいいと思う理由」

連載「政官財の罪と罰」

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古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

古賀茂明(こが・しげあき)/1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧通産省(経済産業省)入省。国家公務員制度改革推進本部審議官、中小企業庁経営支援部長などを経て2011年退官、改革派官僚で「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。元報道ステーションコメンテーター。最新刊『日本中枢の狂謀』(講談社)、『国家の共謀』(角川新書)。「シナプス 古賀茂明サロン」主催

引退を表明した貴乃花親方(c)朝日新聞社

引退を表明した貴乃花親方(c)朝日新聞社

 これに関して、私が注目したのは、一門所属ルール決定に関する貴乃花親方の次の発言だ。

――今場所(9月場所)の後半に直接役員の親方から聞いたのが初めてでありました。それ以前は相撲担当の記者さんに聞かされたといったレベルでしたので、正式な通達があるのかなと思って審判に従事していたわけで、現在に至るという状態です――

 この言葉は大変な驚きだった。なぜなら、協会が決定したことは公表されておらず、貴乃花親方も知らない段階で、「相撲担当の記者さん」はこの情報を知っていたということになるからだ。しかも、決定から2カ月近く、その情報は記事になっていない。

 もちろん、記者は知ったことすべてをすぐに記事にするわけではない。その時点で記事にする価値があるかどうかを判断するのは当然だろう。しかし、当時の状況を考えてみると、やはり、記事にならないのは非常におかしなことだ。貴乃花親方がどの一門にも所属していないことは、相撲担当記者なら誰でも知っている。協会が、一門所属義務化を決めたと聞いたら、これは協会が貴乃花親方を追い出すか屈服させるための手段だということは容易に想像できる。そんな「いじめ」の事実を知ったら、協会を問い詰めたうえで記事にするのが当然だろう。

 ところが、どこの社も記事にしなかった。これは、協会から口止めされていたのか、記者同士が協会の意図を忖度して記事にしないという暗黙の談合をしたとしか考えられない。

 ではどうして、そんなことが起きるのかといえば、相撲記者クラブの存在がある。記者クラブといえば、欧米からは、直ちに廃止しろと言われて久しい日本固有の記者による談合組織である。クラブに所属すれば、何もしなくても、自動的に取材先の官庁や団体からニュースが与えられる。それを右から左にコピペすれば、何もしなくても記事になる。取材先の建物にオフィスを置けるうえに、わからないことなどがあれば、ほぼフリーパスで誰にでも会える。一方、記者クラブに入っていないネットの記者やフリーの記者、外国プレスの記者などは、そもそもニュースが報道されて初めて何が起きているかを知り、そこから電話でアポイントを取って取材をする。なかなか会ってもらえないことも珍しくない。


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