数値は5月28日現在、河合塾調べ(資料作成:河合塾)
数値は5月28日現在、河合塾調べ(資料作成:河合塾)

 私立大学の合格者数の絞り込みにより、ここ2、3年で急激に難化している大学入試。その傾向は2019年度入試でも続くとみられる中で、確実に合格を手にするには、どうしたらいいのか。AERAムック「就職力で選ぶ大学2019」で、受験のプロに併願のテクニックを聞いた。

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 確実な合格をめざすのであれば、志望大学よりレベルを下げた第2志望の大学を併願するのが基本中の基本だ。ところが「その予測がつかなかったのが18年の入試でした」と、河合塾教育コンテンツ本部教育情報部の富沢弘和さんは話す。

「大学によっては、合格者数を大幅に減らしたために、入試偏差値が顕著に上昇したところもあるからです。今後2年間はこの傾向は続くでしょう。志望大学のホームページで定員超過率を確認しておくと参考になります。A学部の入学者が定員に対して1.2で、B学部が1.0なら、次の入試でA学部は入学者を絞ると予測できます」

 同じ大学でも学部によって超過率はそれぞれ異なるので、これまでの定員と入学者数を見比べてみるといい。その差が小さく、すでに絞り込みが一段落したとみられる学部、つまり難易度が大きく変動しない学部だけで併願作戦を組むという方法も考えられる。確実合格は難しいとしても、予想外の番狂わせに遭遇する可能性は少なくなる。

「ただし、入試方式まではわからないので注意が必要です。たとえば一般入試に比べセンター利用入試は入学定員をかなり少なく設定していますが、実際は意外に多くの合格者を出します」

■合格最低点を読みやすいセンター利用入試

 センター利用入試の活用が最も効果的な併願テクニックだと、富沢さんはアドバイスする。

 大学側から見れば、一般入試を受けるのは受験会場まで足を運ぶ受験生。その大学への入学意志がそれなりに高いと判断できる。ところがセンター利用入試はセンター試験の得点で合格が決まるので、大学に足を運ばなくても出願するだけで済むほか、国公立大を第一志望とする受験生も少なくない。

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入学のイメージがしやすい