「貯金簿では長いスパンで貯金が減っているか増えているかを見ることができます。子どもが大学に入ると半年ごとに授業料という大きな支出があるので、全体の金額が大幅に減るのが実感できます。それが4年間続くとどうなるかも予測できます」

 近年は晩婚化が進み、子どもが大学を卒業した頃には親がリタイアしていることも考えられる。その時にどれくらいのお金を残せるかを予測できる点でも貯金簿はおススメだ。

「老後資金が足りなくなりそうなら、夫が働く年齢を延ばしたり、パートを増やしたりと対策が立てられます。小さな積み重ねですが、4年間継続すれば、結構な金額になります。そうした先を見越したマネープランニングができることも貯金簿のメリットです」

 もう一つ、畠中さんが注目しているのが、大学が実施している予約型奨学金だ。

「入試前に申請して合格すれば受けられる奨学金が増えています。2年次以降は継続審査がありますが、それを勉強の動機付けにもできるはず。また、給付型の奨学金を受けられれば、努力した証しになり、就職の際にアピールできることもメリットと言えるのではないでしょうか」

◯畠中雅子
ファイナンシャル・プランナー/「子どもにかけるお金を考える会」主宰。新聞や雑誌、ウェブに多数の連載を持つ。近著に『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる!』(すばる舎)など。

(文/遠藤和呼)