「大学ランキング 2019」(朝日新聞出版)から
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 裏口入学だけではなかった。

【ちなみに法学部で女子学生比率が高い大学ランキングはこちら】

 東京医科大では、女子受験生の入試結果を減点して、女子の合格者数を3割以下に抑えようとしていたことが、大学関係者の証言で明らかになった。同大学では、2010年の一般入試合格者数で女子が約4割となったことから、女子受け入れの「総量規制」が始まったと言われている。

 その背景にはこんな偏見があったようだ。

 医師の仕事は体力的にきつく女性にはつとまらない、女性は出産や子育てで医療現場から離れる、など。東京医科大に対しては「明らかな性差別であり、許しがたい」と厳しく批判する声が上がった。また、他の大学医学部でも女子の合格者数を少なくしているところがある、と報じられている。

 では、反対に医学部で女子学生比率が高い大学はどこだろうか。

大学ランキング 2019」では医学部医学科女子学生比率ランキングを掲載した(17年5月1日現在。1~6年生合計。看護学科、保健学科は含まず。東京女子医科大を除く)。

 1位の佐賀大医学部医学科は、最近5年間でトップの座を譲っていない。13年度から17年度まで、同大学医学部医学科の女子学生比率は次の通り。

2013年度 43.5%(1位)
2014年度 43.6%(1位)
2015年度 44.1%(1位)
2016年度 45.8%(1位)
2017年度 44.7%(1位)

 以前、佐賀大学医学部関係者にたずねたことがある。

「これはという理由が見つからないんです。女子が受けやすい、受かりやすいというわけではない。福岡出身者が多いのですが、もしかしたら、男子は歴史と伝統がある九州大、長崎大、本大をめざし、女子はそんなこだわりはなくうちを受けるのでしょうか。優秀ですよ、女子は」
 
 ランキング上位15校からすこし読み取れることがある。医学部医学科女子学生比率で4割を超えているのは、すべて1970年以降に設立した大学である。

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一県一医大構想の産物