大阪圏で混雑率トップの阪急電車(※写真はイメージ)
大阪圏で混雑率トップの阪急電車(※写真はイメージ)
大阪圏の鉄道混雑状況(2017年度版)1位~20位
大阪圏の鉄道混雑状況(2017年度版)1位~20位
大阪圏の鉄道混雑状況(2017年度版)21位~39位
大阪圏の鉄道混雑状況(2017年度版)21位~39位
大阪圏の鉄道混雑状況(2017年度版)42位~68位
大阪圏の鉄道混雑状況(2017年度版)42位~68位
名古屋圏の鉄道混雑状況(2017年度版)1位~22位
名古屋圏の鉄道混雑状況(2017年度版)1位~22位

 国土交通省は7月17日、2017年度の「混雑率」に関するデータを公表した。これは国交省が毎年出している統計で、全国主要鉄道路線の最混雑区間と、その乗車率を公表したものだ。

【図表】大阪圏と名古屋圏の鉄道混雑状況(2017年度版)はこちら

 通勤・通学のラッシュと言えば首都圏のものを思い浮かべる人も多いだろうが、実は大阪や名古屋圏などの情報も公表されている。大阪や名古屋の混雑率状況はどうなっているのか。そこで、この2017年度のデータの中から、大阪圏を走る68の路線・区間と、名古屋圏を走る22の路線・区間を抽出し、混雑率の高い順に並び替えた。なお、鉄道以外にもモノレールや路面電車、新交通システムも含んでいる。

 まず、大阪圏から見ていこう。1位は、阪急神戸本線(神崎川→十三)で147%。2位は大阪メトロ御堂筋線(梅田→淀屋橋)で146%。3位は同・中央線(森ノ宮→谷町四丁目)と阪急宝塚線(三国→十三)が144%で並んだ。この4路線の区間が、140%を越えた形になった。

 5位になると、近鉄奈良線(河内永和→布施)の136%と一気に8ポイントも開く。そして、6位に大阪メトロ長堀鶴見緑地線(蒲生四丁目→京橋)の135%、7位に同・御堂筋線の(難波→心斎橋)の134%、8位に近鉄大阪線(俊徳道→布施)と阪急京都本線(上新庄→淡路)の132%、10位に阪急千里線(下新庄→淡路)の131%と続く。

 首都圏のランキングと比較してみて大きく違うのが、ここまでJRの路線が一つも入っていないことだ。参考までに2017年度の首都圏の混雑率状況を見ると、上位10位のうち、7路線がJRで占められており、実に対照的な結果となった。

 なお、大阪圏のJRを見渡してみると、11位の学研都市線(鴫野→京橋)の130%、22位の宝塚線快速(伊丹→尼崎)の116%、25位のJR神戸線快速(尼崎→大阪)と大阪環状線内回り(鶴橋→玉造)の112%、27位のJR神戸線各駅停車(塚本→大阪)の111%、29位の大阪環状線内回り(京橋→桜ノ宮)の110%と、学研都市線をのぞいては、上位20位に入っていない。

 大阪圏においてJRは通勤に狙い目とも言えるのだろうか。神戸市東灘区から大阪市内に通勤する29歳の男性はこう話す。

「JR住吉駅から神戸線快速を毎朝利用していますが、吊り革に掴まれないほどの混雑に遭うことはまずありません。ただ、私は利用していないですが、新快速といった一部の列車に混雑が集中しているのではという印象は受けます。東京の通勤ラッシュも経験したことがありますが、あれとは比べものになりませんね」

 東京では激コミのJRが、大阪では“穴場”となる……「所変われば品変わる」と言うが、こうも違いがあるようだ。では、名古屋圏の混雑状況はどうか。

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