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「ピルを机の上に置かないで」 日本が低用量ピル後進国である3つの理由

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.#ヘルス
女性の社会進出をいかに支援するか。労働人口の減少が進んでいる我が国が抱える喫緊の課題だ(※写真はイメージ)

女性の社会進出をいかに支援するか。労働人口の減少が進んでいる我が国が抱える喫緊の課題だ(※写真はイメージ)

 ですが、ある日、「ピルを机の上に置かないで」と同僚の医師から注意を受けました。

 頭痛薬などの常備薬を机の上に置いているようなつもりだった私は、どうしてダメなのか?と尋ねました。すると、「ピルを机の上に置くのは、コンドームを置くようなものだ」とある医師から言われてしまったのです。私は、悲しくて悔しくて泣いてしまいました。これが日本におけるピルに対する理解の現状なんだと実感したことを覚えています。

 避妊薬として知られているピルですが、実は、避妊以外の効果も兼ね備えています。そもそも、低用量ピルとは一体どんなものでしょうか。

 ピルには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という、女性ホルモンに似た成分が2種類含まれています。ピルを内服することで、これらの女性ホルモンが体内に分泌されている状態になるため、卵胞の成熟が抑えられ、結果として排卵が起こらなくなります。また、ピルは、子宮内膜が肥厚するのを抑えることで受精卵が着床しにくい状態にしたり、子宮頚管粘液を変化させ精子が子宮内に侵入するのを妨げます。こうした作用によって避妊効果を得ることができるのです。

 では、ピルの避妊効果は、どれくらいだと思いますか?

 飲み忘れることなく継続して1年間ピルを内服した場合の妊娠率は、0.3%と言われています。もちろん、内服を中止すれば、妊娠することが可能です。低用量ピルの内服を中止してから1年後の妊娠率は、94%であったという報告もあります。

 もちろん、低用量ピルを内服することによる副作用も報告されています。「ルナベル配合錠LD/ルナベル配合錠ULD」の添付文書によると、機能性(特に原因となる疾患がない)月経困難症に対するルナベル配合錠を内服した652症例において、主な副作用は不正性器出血22例(3.4%)、悪心21例(3.2%)、浮腫9例(1.4%)、嘔吐8例(1.2%)、頭痛7例(1.1%)を認めたとあります。



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