では、どこの路線が“穴場”と言えるのか。偏差値上位のランキングをみてみよう。最下位は東急多摩川線で、偏差値は70を突破した。44位は東武野田線と続くが、この2路線は都心に直結する路線ではなく、他の路線に乗り換える必要がある。そんな中で、川越をはじめとする埼玉県西部と池袋を結ぶ東武東上線が43位につけている。沿線に代替路線があまりないため、事故等で止まったときのリスクはあるものの、混雑や定時性という面で見れば“穴場”と言えるかもしれない。

 他には、40位の京王井の頭線、39位の都営浅草線、38位の東武伊勢崎線、37位の京急本線が偏差値60以上となった。34位の京成線や32位の京王線、31位の都営新宿線や30位の西武新宿線あたりも狙い目と言えそうだ。

 もっとも、2016年度の調査時点では3位となった小田急線だが、今年3月の複々線化により今後事情が大きく変わる可能性がある。小田急線で都内まで通勤する、40代会社員はこう話す。

「複々線になり朝のラッシュ時でも急行、快速急行などの本数が明らかに増えました。以前は千代田線と合流する代々木上原の手前でほぼ毎朝、電車が5分以上も停止し、乗り入れ調整をしていました。しかし、最近は改善され、乗り換え時のホームの混雑も軽減されました。混雑のほうもいくぶん緩和されたように思います」

 早くも、複々線化の効果が現れている格好だ。首都圏の通勤ラッシュ模様は今後どう変わるのか、来年度以降のデータにも注目していきたい。(河嶌太郎)