首都圏に住む人の悩みの種の一つでもある朝の通勤ラッシュ。春から転勤、進学などで新しく東京に移り住んだ人、どんなに住み慣れた人でも、その混雑ぶりにうんざりするものだ。東海道線で神奈川県藤沢市から都内に通う、20代会社員はこう嘆く。
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「朝はまず座れないですし、何十分もギュウギュウ詰めを強いられます。帰りも上野東京ラインになり始発を狙うことが難しくなりました。行きも帰りも座ることができず、自宅と職場を行ったり来たりするだけで疲労困憊になってしまいます」
だが、こうした悩みも実は通勤・通学路線を変えるだけで大きく改善する可能性がある。国土交通省では、1ヶ月平日20日間あたりの遅延証明書発行日数状況のデータと、各路線の最混雑区間の「混雑率」を調べた2つのデータを公表している。この2つの統計をもとに、いったいどの路線が朝のラッシュ時の混雑が少なく、遅れも少ないのか。「偏差値」を求める形でランキングを製作してみた。対象路線は遅延のデータに合わせ、45路線とした。
偏差値は遅延や混雑が酷いほど低く出るようにし、順位はワーストの順に1位2位と並べた。見事1位に輝いたのは、中央・総武線各駅停車だ。遅延率のランキングでは1位、混雑率のランキングでは2位と惜しくも“2冠”を逃したが、2位の東西線に2.7ポイント差をつけ、頭一つ抜けていることがわかる。いずれも首都圏の東西を結び、相互乗り入れも実施している路線で、この2路線に混雑と遅れが集中している様子がうかがえる。
そして、3位の小田急線、4位の横須賀線・総武快速線、5位の中央快速線、6位の東海道線と、いずれも長距離を走る路線が登場する。長い距離を走れば走るほど乗客が集中し、遅延や混雑に繋がる傾向があるようだ。7位から下は、京浜東北線、埼京線、千代田線、宇都宮線・高崎線、東急田園都市線、半蔵門線と続く。もし、朝のラッシュを理由に引っ越しを検討している人がいたら、これらの路線の沿線は避けた方がいいかもしれない。