「持ち物の重さは曜日や時期によっても変わると思います。特に週の最初と最後の日は給食当番のエプロンやうわばき、体操着があるので、荷物が多くなりがちです。さらに学期の最初と最後は道具箱や辞書などが加わるので、多くの学校では持ち帰り週間を設けて、毎日決められたものを持ち帰るよう指導します。その通りにできていれば、そこまで過度に重くなることはないはずです」

 そもそも、持ち帰り指導は何のためにあるのだろうか。公立・私立の小学校で校長・副校長の経験がある前出の陰山さんによると、いくつかの理由があるという。

「小学校ではまだ整理整頓が苦手な子が多く、放っておくとプリントや給食で食べ残したパンなどいろいろなものが机の中にたまっていってしまいます。それを防ぐために毎日出して、自分のものを自分で管理する習慣をつけるのです。また置き勉によって紛失や、あってはならないことですが、落書きされるなどいじめの道具に使われてしまう危険性もあります」

 今回、調査をした白土教授は「教科書や副教材を共用にしたり、置き勉を認めるなど軽量化のために工夫できることはあるのではないか」と問題提起する。

 調査によると子どもたちの荷物には学校の教材だけでなく、熱中症予防のために近年、持参されるようになった水筒や塾のテキストが入っていることもあり、親の考え方や放課後の過ごし方によっても子どもが背負う“重荷”は変わってくると予想される。

「子どもたちの荷物は国の期待、学校の期待、親の期待で重くなっているのでしょう」(白土教授)

 背負うものが多過ぎて子どもたちが疲弊しないよう、対策が求められている。(AERA dot.編集部・金城珠代)